photo credit: xenohawk via photopin cc

ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

ネットワークオーディオ・PCオーディオ・ハイレゾ音源関連の最新ニュースをお届け♪

2016ヘッドフォンメーカーランキング【後半戦】

はじめに

前回から始まったTIME誌のヘッドフォンメーカーランキングについて、酒を飲みながらグダグダ喋っていく回、今回は後半戦です。トップ3にShure、Grado、Klipsch、4位以降にPioneer、SonyAKGSennheiserというランキングになっておりまして、Pioneerさんが大健闘かな、という感想です。それでは8位以下も見ていきましょう。

8. JVC (75)

ここで来ましたJVC、なおここから日本メーカーが続くというあたり、やっぱりものづくり大国やで!(逆に言えば、まったく高い音質を価格転嫁出来ていない当たり、ブランディングの圧倒的な下手さを痛感させられますね。特にB◯SEとかBe◯tsとか・・・)

JVCっていうとウッドコーンスピーカーのイメージが強すぎるわけですが、ヘッドフォンもちゃんと作っています。音質・ラインナップもしっかりしてるのですが、如何せん知名度は絶望的で、今価格.comで調べたらまともに100位以内に入ってる機種は一つもありませんでした(泣)

これはSONYを除く全てのメーカーについて言えることですが、いいもの作っていれば消費者は分かってくれるはずという傲慢なエンジニアリング魂が未だに蔓延っていることが一因なのかと(特に彼ら的に嫌なこと(デザイン等)を指摘した時の態度に露骨に感じます)。 例えばHA-SS01を取り上げてみましょう。VGP2016を受賞するなど音質には定評があり、今回の試聴でも精緻で正確な音再現は抜群でした。しかし、分かりやすい高級感は見た目から全く感じないし、分かりやすいストーリー性もないこのヘッドフォンに4万円以上一般人が出せるかと言われると、間違いなく無理です。本当に音がわかってくれるヒトだけが買えばいいってのは格好いいとは思いますがただの自己満足では・・・。もっともっと営業努力が必要だと思います。

 

 さて、このボロクソ書いたJVCで唯一売れているのがポタアンのSU-AX7です。2016年7月の今となっては一世代前感のスペックだなーと感じる部分もありますが、超高音質DACであるAK4390を積んでおり、日本メーカーのポタアンでは未だに最高クラスだと思います。VGPも3年連続で受賞しており、これぞJVCとケンウッドの統合効果!と当時は思いました。なんですけど・・・なんで後継機出さないんですか?

ぶっちゃけ14年当時は先進的でしたが、今となっては重い・充電持たない・DSD再生できない・機能性ダメで音質だけが取り柄の機種に成り下がりました。ハイレゾ以後のオーディオ業界の速度は、これまで一部の富裕層のおっさん相手にのんびり商売していた時とは根本的に異なります。最新の技術を持った新興メーカーがガンガン煽ってくる時代です、もっと機敏に対応して欲しいです。

 

日本メーカー応援したいですけど、同価格帯であるOPPOのHA2とどっち買ったほうがいいって聞かれたら、HA2薦めちゃいますよ。生き残れるかどうかの瀬戸際であることをもっとちゃんと意識して、頑張ってほしいなというメッセージでJVCの項目を締めておきます。 

 

追記(2016/12):7月にAX7の悪口書いたら、11月に上位後継機のAX-01が発売されました(^○^)。まだ価格が熟れて(こなれて)いませんが、DACにはESS製ES9018K2Mを採用、384kHz/32bit・PCM&11.2MHz・DSDまで対応し、隙がなくなりました。後は価格競争力ですね。

 
 

 

9. Audio-Technica (74)

言わずと知れた独立音響メーカーの雄、オーテクです。近年は広告にも力を入れており、定評のあるデザイン性、音質の高さと相まって好感が持てます。今回はATH-MSR7を試聴してみましょう。 SONYのMDR-1Aのライバル機種、JVCのHA-SS01がこの価格なら(・・・ってまたディス) と思わずにはいられない、オーディオファン向け激戦区価格帯。MDR-1Aと比較すると、より分解能が高くモニターライクな音です。聴き比べるとドンシャリ感がより弱いので少し地味に聞こえるかもしれませんが、静かなところでちゃんと聴き比べると、ATH-MSR7のほうがマジメな音作りをしている印象を受けます。高音の抜け感は圧倒的にこちらだと思います。

 

10. Panasonic (74)

なんと10位にパナソニックがランクイン、これは本当に意外です。パナソニックのヘッドフォンって、インテリアショップの依頼で聞いて以来、一度も聞いたことないですわ。価格.comでランキング見てみるもあまり売れているわけではなく、全然わからない。

 

ということでとりあえずフラッグシップのRP-HD10を試聴・・・購入しました(2度目)。コンポもそうだけど、最近のPanasonicのオーディオすごいですね。もっと真面目にデザイン頑張ったら世界狙えるんじゃないだろうか・・・。ドンシャリきつめって書いているレビューありましたが、これは一切味付けしてないモニター志向ヘッドフォンなので間違いです。逆にモニター志向でチューニング疑われるレベルで高低音がしっかりしているってことは、圧倒的にレベルが高い証拠です。デザインのモッサリ感が返す返すも残念ですが、この音質で2万円を切るだなんて、超コストパフォーマンスの機種と言わざるを得ません。

 

11. Apple (74)

なんとなく気づいてはいたが、このランキングのヘッドフォンってイヤホン含むんだね、Appleのランクインで完全に理解しました。しかし、それだったらこれまでの考察全部的外れじゃんとか思ったのは後の祭り。どうもamazonには模倣品が出回っているらしいので、公式課金しました。BA2ドライバーで1万円ってのは少しお高め、聞いてみた感想ですが、3000円以下で音質に強いこだわりがないアップル信者なら買いだと思います☆(信者が怖いので適当(笑))BAとは何?って人はコチラの記事をどうぞ。

12. Bose (73)

とうとう来ましたBoseさん、前半からディスりまくっていますが、僕はこのメーカーが嫌いというわけではありません。ピュアオーディオファンとしては嫌いだけど、映画ファンとしては好きです。前に書きましたが、音楽マニアと映画マニアでは求める音が違います。

 以前の記事でも書きましたが、ピュアオーディオに求めるのは原音再現です。この観点から、チューニングしまくりのBoseはあり得ません。仮にどれだけBoseのヘッドフォンから心地よい音が流れてきたとしても、ノイズをカットしてくれていたとしても、やはりそれは造られた音であって、原音ではないのです。そのため、一般人には非常に支持されているBoseですがオーディオヲタクからは敬遠されてしまいますし、音質の指標では不利になるのです。

13位以降

13位以降のメーカーについては多少の差こそあれ、ドンシャリ感をチューニングで強調し、デザイン性を高め、原音再現能力意外で勝負しているメーカーがほとんどです(ラインナップの中にはそういったモニターヘッドフォンがあるメーカーもありますが)。そういった戦略を否定するわけではないですし、原音再現していればいい音に聞こえるかどうかはそもそも人によりますが、個人的には原音にこだわったメーカーに報われて欲しいなーというのが正直なところです。逆にそのように真摯に音にこだわっているメーカーが、イメージ戦略だけで勝ち上がったメーカーに駆逐され、市場から撤退されると困ってしまいます。日本メーカーは伝統的にここが弱いので、不利にならない程度には頑張って、戦って欲しいと思います。

13. Philips (72)

14. Creative (68)

15. Koss (68)

16. Skullcandy (62)

17. Beats by Dre (58)

18. Plantronics (57)

まとめ

オーディオヲタって大して音に違いもないものに大金かけてアホだなーとか巷ではよく言われますが、今回のランキングではヲタが支持するオーディオメーカーが上位を独占するという面目躍如な素晴らしい結果に。個人的にも色々と発見があっていい企画となりました。

 今回の試聴ではKlipschのR6とPanasonicのHD10を新しく購入したわけですが、どっちがよりコスパよくてオススメかというと断然HD10です(R6は資料的要素も考慮して購入したという経緯もあり)。2万円前後でMDR-1AやATH-MSR7を検討している人には是非HD10も検討して欲しいように思いました(デザインを考慮すると買う気にはなりませんが)。オーテク復活以来のパナソニックは本当に頑張っていて、ステマ臭がするのであまりプッシュしすぎたくはないんですけど、どうしても取り上げざるを得ない。他のメーカーも負けずにがんばってください!Gradoは次回までの宿題ということで、ではまたまた~♪

f:id:yamanatan:20160717175535j:plain

photo credit: Adeus, amigos via photopin (license)

2016ヘッドフォンメーカーランキング【前半戦】

 はじめに

オーディオファンの皆様こんばんは~。

ご覧になられた方も多いとは思いますが、TIME誌がオーディオ専門誌の評価と機能性を考慮したヘッドフォンメーカーのランキングを作成しております。

このブログでも色々と試聴してきているので、ちょっと振り返りながらランキングを見ていきましょう。

 

試聴環境

区別がつきにくいかもしれません(過去に試聴したレビューも混在している)が、今回新たに試聴したものについては、すべてfoobar2000(PC)+NuForceのuDAC5、音源はDSD(2.8MHz)を利用しています。過去記事にも書きましたが、最近は完全にオーヲタ教DSD派に改宗してしまいました。uDAC5はコンパクトながら解像度とパワーに優れているので、コンパクトにシステム組むなら検討すべきヘッドホンアンプの一台です。

※このブログの読者は僕がNuforce(Nuprime含)好きなの分かってると思うので、評価はある程度割り引いて下さい(笑)

 

 

ランキング

1. Shure (90)

1位はオーディオヲタにはお馴染みのShure、もっともShureっていうとヘッドフォンよりはイヤホンのほうがイメージ強いですけどね。過去記事ではSE215とSE425についてコメントしていました。Shureファンからするとこのセレクトは邪道で、SE535からが本物のShureと公言される方も少なくないなど、逸話に事欠かない熱狂的なファンがたくさんいるブランドで、1位も至極納得でございました。

 

と、メーカーの知名度の高さについては文句のつけようがないのですが、その一方でShureのヘッドフォンは個人的にこれまで敬遠気味でした。やっぱりこのメーカーはイヤホンのイメージが強すぎますからね。でも、これだけ絶賛されているのであれば!!、ということで評価の高い密閉リファレンスのSRH940を試聴してきました。低音は個人的には十分ですが人によっては物足りないモニターライクな印象、高音は突き抜けすぎずマイルドで心地よいチューニングで巧さを感じました。

残念なポイントとして、amazonの口コミを見ると耐久性に難があるみたいなことが書かれていて(僕の友達が所有している機体はご存命でしたが)、ちょっとこういうのを見ると購入には二の足を踏んでしまいますね~。音は申し分ありませんでしたが・・・。

 

2. Grado (89)

Gradoは知る人ぞ知るコアなオーディオメーカーですが、日本国内での一般知名度は低いですね。価格帯も高めなので、仕方ないかもしれません。僕もどこかのフェアで一回試聴させてもらったことがあるだけなので、改めて聞いてみたいものです。(って書いたら友達が試聴させてくれるって連絡をくれたので、今度聞いてきます(笑))

3. Klipsch (84)

3位はこれまたコアなオーディオファン御用達メーカーKlipsch(クリプシュ)ですね。Klipschといえば、なんといってもド定番の大正義イヤホンX10です。高い遮音性とシングルBAとしては最高峰の解像度、適切な低音という個人的にドンピシャの調整がされていながら、3万円しないコストパフォーマンスというバランスがあまりにも素晴らしく、さらには見た目の奇抜さと美しさも相まって、おすすめイヤホンランキングの常連さんとなっています。

 

 Klipschもあんまりヘッドフォンのイメージがなかったのですが、仕方がないので(!?)試聴してきました・・・購入してしまいました。全体的にKlipschっぽい音傾向が健在で、中高音の解像度はやり過ぎない程度(X10ほどの精密さは感じない)&低音はややパワフル(X10対比で、うるさい感じではない)という感想で、クラブ系の音楽をBGMで使う際によさ気なヘッドフォンだなと思いました(主な購入動機)。

これで2万円しないんだから、コスパはめちゃくちゃいいんじゃないでしょうか。少なくともレビューがほとんどついていないのは信じられない程度に素晴らしいコスパだと思います。どっかの坊主さん(12位!)とかビーツさん(17位!!)とかいう二流・三流メーカーにはぜひとも見習って欲しいものです。こうした人気メーカーさんは広告戦略もいいですが、純粋な音質でも豊富な資金力を活かしてちゃんと勝負してみろよ、といつも思います。今回TIME誌のように影響力のある雑誌でこのような結果が出たのは個人的に非常に喜ばしい出来事です。今回試聴した中では一番の掘り出し物となりました。(他は持っていたり知っていたりした、ということもあり)

 

 4. Pioneer (83)

来ましたよ、我らが(!?)Pioneer、オーディオ古参勢にはサン・トリ・パイの一角としても有名ながら、近年は不振が続き2015年にはついにONKYOにAV事業が譲渡されてしまいました。

Pioneerといえば個人的にはアンプやスピーカー、はたまたホームシアターシステムの印象が強く、これまたヘッドフォンのイメージがあまりないメーカーです(歴史がないとは言っていない。なんせ60年代から作ってますからね。あくまでも個人的な相対イメージの話です、悪しからず。)。と、こうして見てみると、上位を占めるのは

  • オーディオメーカーとして定評がある(音作りがしっかりしている)
  • ヘッドフォン作っているイメージがあまりない(ため、あまり価格をふっかけられない=コスパがいい)

メーカーなのかもしれません。逆に消費者サイドからすると、こういうメーカーのヘッドフォンは狙いめな気も・・・。

 Pioneerのヘッドフォンといえば何と言ってもSE-MASTER1です。「ぼくのかんがえたさいきょうのへっどふぉん」よろしく音像定位能力が抜群で、リスニングには正座が要求される一品です。価格の方もぶっ飛んでいて、普通の人が購入対象にするには精神安定剤が求められそうです。

 

 ということで現実的な選択肢であるSE-MX9をレビュります。ちなみにこのシリーズは、下位モデルであるMX7をヒガンバナというドラマで堀北真希が着用していたことから、オーディオファン以外からも注目されていたようです。

 音の特徴ですが、上位のヘッドフォンと違ってモニターライクではなく若干ドンシャリ系の味付けがなされていますが、そこまで嫌味ではないです。特に高音の味付けはしっかりとした高解像度の裏付けのもとでの綺羅びやかな味付けですので、嫌いな人は少数派だと思います。逆に、低音はもう少し抑え気味でも良いかな~と個人的には思いました。

 

 こちらがSE-MX7

 

 5. Sony (80)

 5位はSONYです、言うまでもなく日本人にはお馴染みの電機メーカー。近年はハイレゾオーディオブームを牽引し、絶好調の印象です。SONYはその独特のデザインから一定数のファンがおり、ややもすれば見た目だけで中身の伴っていない印象を受ける人もいるかもしれませんが、音作りは誠実で技術力も高いです。

このブログでもたびたびその製品は取り上げており、以前にDAP頂上決戦をやった時に使ったイヤホンもSONYのXBA-30でした(この時は色々と叩かれましたが笑)。関係ないですが、DAP頂上決戦も要望多いのでそろそろアップデートしないといけませんね~。

また、XBA-H3も以前に試聴しておりました。これは友人保有機使いましたが、現在は手元にも1台います。

さてさて、ではSONYさんのヘッドフォンレビューを。色々ありますが、最近バカ売れしてる手持ちのMDR-1A/Bにしましょうか。デザインは前機種であるMDR-1Rを引き継ぎ、いかにもソニーらしい感じです。Pioneerと同じくピュアにモニターライクではなく、ドンシャリ系の味付けがなされているのは、日本メーカーならでは。(完全にモニターライクだと派手さに欠けるので、聴き比べで負けちゃうんですよね。この辺り、PCで光沢液晶が採用されるのと同じノリな気が・・・。FOSTEXは数少ない例外です。)高音の抜け感は高価格帯のヘッドフォンに比べると若干物足りないですが、全音域についてしっかりと鳴らせていますし、わざとらしく低音を響かせているような印象もほとんど受けませんでした。

 

 6. AKG (79)

 6位はこれまた固定ファンが数多くいるオーストリアAKG(アーカーゲー)、通称あかげです。初めてヘッドフォンで有名なメーカーがランクインしたな、というのが正直なところ。7位のSennheiserと共にもう少し上位でも(上位3位にランクインしても)おかしくないのかな?と思いました。全体的な特徴としてインピーダンスが高い(分からなければ、過去記事を参照のこと。)機体が多いですから、何も考えずに購入してiPhoneに直挿しすると、スカスカした音しか鳴らずに絶望感を味わうことになります(もしかしてそういう敷居の高さがこんな順位になった一つの理由なのかしら)。 過去記事でも書きましたが、インピーダンスの機体を鳴らすには高出力のアンプが必須です。

このメーカーは音質の高さもさることながら、デザイン性の高さでも有名で、けいおん秋山澪が着用していたK701

http://blog-imgs-41.fc2.com/y/u/n/yunakiti/090501-0216580792-960x720.jpg

 であるとか、

 
 

 その正当な後継機にして著名音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズWe are the worldなど)とコラボしたQ701、その他にも挙げだすときりがない程たくさんのラインナップが存在します。PerfumeCapsuleでお馴染みの中田ヤスタカさんはK701の愛用者としても有名です(現在のラインはK712PRO)。

 

 

 

 

この点は過去記事でも取り上げています(ここではネタ枠として)。

また、最近はイヤホンにも力を入れており、廉価なラインナップではコスパの高さで驚かせてくれました。

networkaudiolab.hatenablog.com

 今回は、AKGながら10000円を切る価格とファッション性の高い見た目でバカ売れしているY50のレビューを追加しておきましょう。少し前にBluetooth対応のバージョンも出ています。細部はさすがに高級機に比べると手を抜くべきところでちゃんと抜いているな、という印象ですが質感は高く、インピーダンスは32Ωと取り回しの良さも一般人(ヲタとの対比で)にとっては魅力的だと思います。

 

 音質は高級ラインとは異なりドンシャリ系の味付け強め、狙ってる顧客層の違いを如実に感じさせられます。低音は割りと控えめでお上品な重低音(嫌いじゃない)、中音は綺麗だけど少しスカスカ感が気になる。Philewebでは絶賛されていた音像定位も価格それなりといった感じで、総評するとお値段相応かな(コスパ普通)という感想でした。もっともインパクトのあるデザインとAKGという毛色の良さを考慮すると、同価格帯で買って損はないのかな、という意見です。逆に考えるとAKGは市場調査しっかりして、戦略的に製品出していることがよく分かります(笑)

ただ 正直なところ、この価格帯でAKGのヘッドフォンが欲しいなら定番モニターのK240MK2(と廉価でいいのでアンプ)を買いましょう。AKGのしっかりした音像定位能力を体感できるAKGらしいヘッドフォンです。

 
 

7. Sennheiser (78)

7位は6位のAKGと同じくヘッドフォンのイメージが強いドイツの名門Sennheiserゼンハイザー)です。AKGと同じく比較的高価でインピーダンスも高めの製品が大半を占めるため、少し残念な順位になってしまった可能性があります(AKGSennheiserには同情的(笑))。世界中にファンが多く、歌姫ビヨンセなどがよく愛用者として紹介されます。

 このブログでは個人的にデザイン一押しのMomentumを複数回取り上げているなど、デザイン性の高さは折り紙つき 

さらに音質の高さにも定評があり、HD598(プリン)は2万円台で定番中の定番、ヘッドフォンヲタで持ってない奴はモグリ扱いされる存在です。

 
 

 またSE-MASTER1程ではないにしても、一般人からすると常軌を逸した価格のフラッグシップ機HD800(S)も、実はハイエンド市場ではコスパに優れている銘機として知られています。

 

さて、ここでは比較的レビューの少ないURBANITEについてレビューを書いておきましょう。この機体は2014年終盤に発売されたモデルで

  • インピーダンス低めなので直挿しOK
  • 折りたたみ可能
  • カジュアルなデザイン
  • 比較的低価格

 など、AKGのY50と同じく普及帯向けの戦略商品です。URBANITE無印がオンイヤータイプ、XLがアラウンドイヤータイプです。

 

 一般的にアラウンドイヤータイプのほうが音質はいいのですが、この製品の位置づけ的にやはり試聴すべきはオンイヤーだろう、ということで無印版を試聴しました。感想としては、とにかくうまくまとめたなーという感じ。特筆すべき低音の量感や高音のヌケ感、解像度の高さや音像定位能力があるかと言われると疑問符がともりますが、一方でどの音程も過不足なくしっかり鳴らせていて不快さはありません(ややシャリ感が気になるが)。オーディオヲタとしてはまったく購入意欲をそそられませんが(解像度の低い駄目フラット)、ポータブルでこのデザインながら、中身もゴミじゃないってことは売れるってことですね(白目)。

結局のところ、「追加課金してプリンちゃん買っとけや」というおざなりな結論にはなるのですが、確かなチューニング能力としたたかさを兼ね備えたメーカーさんなのでした。(こう考えるとAKGSennheiserも戦略的な製品出したせいでこんなランキングにされている可能性が無きにしも非ず・・・笑)

後半はこちら

8. JVC (75)

9. Audio-Technica (74)

10. Panasonic (74)

11. Apple (74)

12. Bose (73)

13. Philips (72)

14. Creative (68)

15. Koss (68)

16. Skullcandy (62)

17. Beats by Dre (58)

18. Plantronics (57)

http://business.newsln.jp/news/201607020635390000.html

清楚な見た目の優等生

はじめに

さて、今回は某インテリアショップから依頼されたので、デンマークTANGENT社のBluetoothスピーカー『フィヨルド・ミニ』のレビューをします。

TANGENT | モダニティ株式会社(MODERNITY)

 Bluetoothスピーカーで使われている技術自体は2年前に書いたこの記事からほとんど進化していません。

SONYの開発した新型コーデックLDACは(イヤホンよりは)ポータブルスピーカー向きだと思いますが、将来性は不透明です。

これらを踏まえたうえで、レビューをしていきましょう。

レビュー

 まず目を引くのはJACOB JENSEN氏が設計したミニマルデザイン、縦型のBluetoothスピーカーってあんまり見ませんがいいですね(アロマディフューザーと間違えそうですけど)。音質面でのメリットはあまり無いですが、すっきり配置できるのも良いです。MBA(MacBookAir)との相性も抜群なので、インテリアに敏感でコード類は汚いから嫌だけど音質にこだわりたい、ってワガママな層向けってことなんでしょう。

 

 体重は1kgくらい、外形寸法は90×90×210mmで邪魔にならず、持ち運びも苦になりません。

  • 10W×2chのデジタルアンプ
  • 2.5インチフルレンジユニット×2
  • パッシブラジエータ
  • 連続再生8時間
  • NFC

コーデックはapt-Xに対応しており、特に問題ありません。

fjord mini | モダニティ株式会社(MODERNITY)

 

 音の特性です。中音域はしっかりと広がりますが、同じtangent社のClassicの音の広がりをワンサイズ落としたような感じですね。高音の伸びやかさや低音の量感はサイズ相当でそれなりです。解像度の高い低音は音の厚みを生み出しますが、この音の厚みを低い解像度で達成しようとするとわざとらしい音の味付けをすることになります。残念ながらこのスピーカーの低音は、典型的なこの『わざとらしい味付け』で補正されており、正直微妙です。当然のことながら解像度はもう少し頑張って欲しいレベルです。

 

 まとめ

というわけで、音のレビューは少し手厳しい結果になりましたが、JACOB JENSENのファンからすると喉から手が出るほど欲しかったデザインのスピーカーかと。ピュアオーディオ的には少々物足りないですが、安っぽい音ではないですし、BGMにするなら解像度はある程度抑えたほうが良いというのが持論ですので、手軽なPCオーディオの候補としては悪くない選択肢だと思いました。それではまた。

f:id:yamanatan:20160214165813p:plain

f:id:yamanatan:20160214165816p:plain

f:id:yamanatan:20160214165819p:plain

コンセプト&デザイナー | JACOB JENSEN(ヤコブ・イェンセン)北欧 デンマーク時計|bang&olfusen(バング&オルフセン)デザイナー reddotデザイン賞 受賞モデル 軽量 薄型 クロノグラフ チタニウム スイス製ムーブメント サファイアガラス レザーベルト シリコンラバーベルト 電話機T-3 Moma近代美術館永久展示所蔵 made in swiss

 

お年玉で買うべきミニコンポ2016

はじめに

私事ですが、 コンポって今更感すごいよなーとか思いながら去年書いたこの記事が滅茶苦茶好評で、今でもこのブログのアクセス数トップなんですよね。友達曰く「ハイエンド製品まで金に糸目を付けず爆買いするオーヲタ変質者が勧める、お手頃ないい製品」をみんな知りたがってるのだそうな。(ボロカスな言い草じゃねぇか・・・

さすがに全部は試聴できないので、巷で評判の高いやつを比較試聴していきましょうねー。今年はNFC対応製品が多くなったのが一番の注目点でしょうか、どうでもいいですね(音ヲタ的には)。後は省スペース設計を目指しているのも注目点、現代人の生活に合わせてってことなんでしょうけど、そういう層はアクティブスピーカーに行くんじゃないかな?コンポはやっぱりサイズをちゃんと確保して、音の良さで勝負すべきじゃないの?ちゃんと他の製品群と差別化できてる?そんなことを思ってしまいました。

なお試聴音源はすべて192kbps MP3とCDのみで、ハイレゾ音源は一切使っていません。ハイレゾ対応機種も出てきていますが、この製品群においてはあくまで付加価値として捉えるべきであると考えたからです。ただ、来年以降にこの商品群においてもハイレゾ対応が標準化してくる可能性は充分にあるので、その時は試聴音源に加えるかもしれません。

2017年版書きました。(この記事は2016年版の古い記事です。)

試聴結果

EX-S5

 今やVictorもJVCKENWOODも同じ会社だもんなー、ということでJVCケンウッドからEX-S5、価格.comプロダクトアワード金賞・VGP2016受賞の看板付き。一目でわかるJVC感、相変わらずのウッドコーンスピーカー、ブラウン可愛いです♪

  • アンプは実用最大出力が25W+25W
  • スピーカーはフルレンジバスレフ型 85mm
  • ネットワーク対応なし
  • Bluetooth対応(apt-X非対応)

 アンプのスペックからも分かるように明らかなイージーリスニング向け、解像度もいまいちでヲタ的に特筆すべき点は存在しませんが、ウッドコーンってこのくらいのアンプのほうが実は相性いいですね。やっぱりウッドコーン鳴らすことにかけては超一流だな、と感じます。解像度はそれなりですが(だからこそ)、何も考えずにボサノバとかカフェミュージック流すなら一番いい選択肢かもしれません。ここまで評価高い理由はやはり分からないですが、ウッドコーンスピーカー独特のホワっとした穏やかな音が好きなら指名買いでしょうか。

低音:2点
中音:4点
高音:3点
合計:9点

 

 SC-PMX70

 同じくVGP2016から金賞独占したPANASONIC、EX-S5があれだったのでこちらもあれかなと思ったらあれじゃありませんでした。m9( ゚д゚)

  • アンプは実用最大出力が60W+60W
  • ウーファー:14cmコーン型(100は竹プラントオパール、70は竹炭PP)
  • ツィーター:1.9cmドーム型
  • スーパーツィーター:1.2cmピエゾ型(70は1.5cm)
  • ネットワーク対応(70なし、100あり)
  • Bluetooth対応(apt-X非対応)

 ネットワークと細かいスピーカーの材質の違い(厳密にはスピーカーの再生帯域も違う)から生まれる70と100の価格差2万円をどう捉えるかは人次第だけど、コンポ買う人達からすると「ボリすぎ!」ってなるかな。でもPMX100の価格帯では抜群のコスパなので金賞はおかしくはないんだよ。むしろPMX70のコスパが良すぎるんだよね、なのでコンポ欲しくてネットワークいらないなら無心でポチって無我の境地に達しましょう。そのくらいPMX70のコスパが良すぎる。興奮してクリックしまくって2個届いても気にならない(流石に気になるか・・・。やっぱりTechnics復活は伊達じゃない、意気込みが違う。この市場ガチで取りに行くよって姿勢がすごい。(ちなみに何でこんなコスパになっているかというと、発売直後にソフトウェア不具合があってボロボロに叩かれたっていう裏事情があるんですよね。今回の試聴時には一切問題ありませんでした。)

70と100の音の差についてはあまりどこでも触れられていないので、ちょっとだけ書いておくと、低音はほとんど差がない。ハイレゾ+高音で聴き比べると、音の稠密性に関しては100のほうがわずかに上。普通の人が気になるレベルではないので、ネットワークに2万円払っていいならおまけで高音の制御能力がわずかに高い、くらいの姿勢でいいと思います。

低音:4点
中音:4点
高音:4点(4.5 for 100)
合計:12点

 
 

 X-NFR7X

価格.comでいつも大人気、ONKYOの X-NFR7X。去年紹介したX-NFR7の後継機ですね。前機種との違いはNFCに対応しただけで音は同じでした。点数同じだけど、Victorとは音の味付けが違うので試聴推奨。

低音:2点
中音:4点
高音:3点
合計:9点

 

 CMT-SX7

 SONYさんより、販売開始直後は不具合が出ていましたが、現在は改善されていると店員さんが言っていました。

  • アンプは実用最大出力が50W+50W
  • ウーファー:10cmコーン型
  • ツィーター:2.7cmバランスドーム型
  • ネットワーク対応あり
  • Bluetooth対応(apt-X非対応・LDAC対応)

中音域はいいですが、低音の量感が微妙ですね。高音はちゃんとまとまってますが、相変わらずスピーカーの性能が残念です。

低音:3点
中音:3点
高音:3点
合計:9点

 

 XK-330

  • デジタルアンプで実用最大出力が10W+10W
  • スピーカーはバスレフ型
  • ウーファー:80mmコーン
  • ツイーター:19mmドーム
  • Bluetooth対応(apt-X非対応)

新書サイズでハイレゾ、を謳った新Kシリーズ、どうしてこうなった・・・。中~高音域は育ちの良さを感じますが、低音の量感なんてなかった。ある意味このサイズでは頑張ってるけど、Kシリーズ売れないからってこのアプローチは違うんじゃない!?ここに来てようやくEX-S5の偉大さが分かったよ、変わらないって大事なんや。

低音:1点
中音:4点
高音:3点
合計:8点

 

 おわり

もう総括するまでもないですね。いつも通りのウッドコーン哲学を維持し続けるJVC、ブランド力と宣伝力だけで売れるONKYO、自滅したKENWOOD(統合した後もJVCと別個にコンポ作っている辺り、日本メーカーの生産性の低さを感じますね笑)、オシャレだけど残念なスピーカーのSONY、そして本来の目的である音質にこだわったPANASONIC。いいもの作ればちゃんと評価されるんだから、KENWOODさんはちゃんと反省して下さい。今年コンポ買う人はとりあえずPANASONIC買いましょう。PMX70はK-531(一時期2万円割っていました)以来の高コスパ製品です。そんじゃ、今年もよろしく♪ 

 

2015年買ったオーディオ機器に関する雑談

はじめに

 明けましておめでとうございます、yamanatanです。年初(末?)恒例の今年買って~を紹介しようと思ったんですが、結果的にただの雑談になりました。一応CX-A5100ちゃんだけはまだ手元に残っています。

去年も書いたように我が家のオーディオ機器は、

リファレス機器を除いて、絶えず購入(貰ったもの含)・試聴・売却の無限ループに曝されているので、こうした無限ループから一時的にでも解脱した(笑)オーディオさん達はそれなりに優秀な方々だと思います。

という輪廻転生を繰り返しているため、手元に残る子は多くありません。お仕事用のリファレンスを除くと、個人的なリファレンス機も平均寿命2年位なので、サイクルやばいです(白目)

IDA-16の弟分

そういえば、(一)昨年の記事で紹介したIDA-16の廉価版であるIDA-8が今年出ましたね。多分いまからPCオーディオ組みたいなら、この子を基幹部分に据えとくだけで、10年前に10倍のお値段で組んだオーディオセットよりいい音出せると思うよ(;´Д`)。相変わらずamazonで売ってて、今びっくりしたよ(笑) 

 相変わらず性能に比して、NuPrimeの日本語レビュー記事はほとんど見当たらず可哀想になりますね。軽くggって見たけど、これしかなかったよ。

値段はIDA-16の半額以下で出力はちょうど半分、DACコンバーター内臓で最近の傾向を反映していますが、DSD11.2MHzまで対応(ただしMacは5.6MHzまでね)ってのは滅茶苦茶ヤバイですね、いや音源はほとんど無いんだけど、それでもすごいよね。

何がすごいのか伝わらないだろうから、DSDについてちょっと書こうかな。ソフト面で去年一番投資したのが実はこのDSDで、「あんなもの流行らないね」みたいなことをずっと言ってたんですが、DSD信者から容量の(相対的な)小ささと音のクリアネスに関する長い長い洗脳を受け(笑)、気づいたらDSD音源買い漁ってたんですよね。DSDの周波数には2.8, 5.6, 11.2MHzの3種類があって、主流はスーパーオーディオCDSACD)相当の2.8MHzです。5.6はちょっと前から出てたんですけど、11.2は去年e-onkyoが配信開始したばっかりで、まだ超少数派です。日本はまだハイレゾが流行るかも?くらいの段階なので、超超ハイレゾの11.2MHzDSDのブームが来るのはまだまだ先の話だけど(来ない気がするけど)、対応しているに越したことはないよね。ちなみになんでDSD11.2MHzまで対応をみんな特筆しているかって言うと、DAC専門機でも対応しているのは少ないからなんですよね。例えば国内勢でDSDに一番気を遣ってるSONYでも(DAC専門機ではないけど)対応周波数は5.6MHzまでですね。安価なラインで対応しているのってnano iDSDくらいでしょうか。

 nano iDSDが出たのって結構前だった気がするけど、未だに周りに愛用者が多いし、やっぱりコスパ高くていい製品だよねー。

CX-A5100

 去年はもうこれだよね、マストバイだよ、10年は余裕で使えるんじゃね?廉価AVアンプの比較記事は前に書いたんだけど、 実はこのAVアンプ市場は二極化していて、5万円付近の市場(ホームシアター愛好家、コスパ重視)と20万円以上の市場(ガチ勢、コスパって何それ美味しいの?)に別れます。

今回紹介しているYAMAHAのCX-A5100は希望価格28万円で、完全に後者のガチ勢仕様。フロントハイトスピーカーの圧力を減らしましたーみたいな説明を受けたんですが、個人的にはアルゴリズム変更前でも音圧が物足りないと思っていたので、むしろ悪化したよ。最大の改善点は演算処理を32bitから64bitに改善したところで、これはかなりすごいので買う気なくても試聴推奨です。特にピュアオーディオ屋(音楽マニア)で映画好き(映画マニア)という暗黒の積集合に棲息なさっている明らかに前世で悪いことしたとしか思えない人は聞いてちょっと感動した方がいい。あのイコライザー独特の「取ってつけたいい音、感」がいい意味で軽減されます。技術進化すごいです(^q^)。でもさぁ、映画ソフト愛好家からしてみると「映画にこんなに解像度いるの?ちょっと疲れるんだけども・・・。」明らかに命を燃やして映画を鑑賞するガチ勢向きの製品です、本当に有難うございました。

さいごに

ニコンポ2016を連投しますので、こちらもチェックしてくだされ~。

2015年ver. (2014年発売製品が対象)

2016年ver. (2015年発売製品が対象)