我輩はハイレゾを外に連れ出すである
はじめに
最近僕らの間で話題になった記事といえば、やはりこれでしょうか。
僕も以前、
で少し話題にしましたが、ハイレゾ音源がCDより高音質なのは間違いないけど、そもそも自分の耳で聞き分けられるの?ってのは当然に抱く疑問だと思います。
個人的な結論としては、『いい音と感じるかどうかはさておき、ハイレゾ音源に慣れると圧縮音源との聞き分けは可能』です。ワインでもそうですけど、高いものがかならずしも美味しいわけではありません。ハイレゾ音源の特長はスタジオ録音された生の音(原音)をより正確に伝えることであって、誰が聞いてもいい音だ~って感動する音源じゃ必ずしもないです。好きな音なんて人それぞれ、低音を音響効果で強化させまくったダイナミックな音が好きな人もいれば、ちょっとしたスタジオの生の息づかいに感動する人もいるんです。好みにいいも悪いもありません。
- ハイレゾ音源はより正確な音源であって、よりいい音源では必ずしもない。
http://www.flickr.com/photos/walmink/204325799/
にゃんだって~~!??とまぁ、ハイレゾに冷や水を浴びせたところで本題に入りましょう。今回はみんな大好きなイヤホンです。色んな人がこのブログ見てイヤホン特集しろって言ってくるんでもうやらざるを得ないかなと・・・。ただ、ぶっちゃけると僕はあんまりイヤホンを使わないし持ってないので、今回はイヤホンマニア2人に協力してもらって、幾つか定番イヤホンの比較試聴をさせて貰ってきました。
リファレンス環境
定番のリファレンス環境の説明からいきましょう。今回はイヤホンということで、
- 再生機はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)
- ヘッドホンアンプはポータブル
という制約をかけました。
AK100
DAPはAK100を使用しました。AK100 MKIIとAK120も検討しましたが、AK100とAK100 MKIIの音の違いはよく分からなかったので廉価なAK100でいいかな、と(アンプかませるからインピーダンスの差なんて気にならないし)。AK120はイヤホン直挿しだとAK100よりも高音質ですが、ポータブルアンプ(ポタアン)をかませるとそこまで違いが出なくなるので、やはりAK100でいいと思いました。(ちなみに一人のAK100は改造されていたため、使用できず。役に立たない・・・。)
そういえば最近DSDへの(無理やり)対応が発表されましたね。
ASCII.jp:人気のハイレゾ機、Astell&Kern AK100がDSD再生に対応
ハイレゾ対応プレーヤ AK100 / AK100MKII に DSD64(2.8MHz)対応アップデート - Engadget Japanese
AK120は192kHz/32bit 音源対応に
ハイレゾプレーヤー Astell & Kern AK120 に 192kHz/32bit 音源対応アップデート - Engadget Japanese
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SounDroid Typhoon
ポータブルアンプはVentureCraftのSounDroid Typhoonを選択しました。Furutech社のオーディオブランドADL X1はDACチップがESSの「ES9023」と魅力的ですが、光デジタル入力端子がない以上、実力が発揮できないので今回は回避。話題になってるSONYのPHA-2も同じ理由で候補もれ。また、人気のiBasso Audio D12 Hjは直挿しと解像度にほとんど違いが見られず(だってDACチップは同じWolfsonの「WM8740」だしとかみんなで言い訳してみる)。まぁ、それだけAK100の完成度が高いのかな。
SounDroid Typhoonはオペアンプが交換できることでも知られていますが、標準搭載のLME49860は充分な高性能であまり交換の必要性を感じませんでした。MUSES02がネット上では人気みたいですが、友達曰く劇的に何かが変わった程の印象は受けなかったとのことです。
【レビュー】ソニー“本気のポタアン”再び、「PHA-2」を聴く - AV Watch
@DIME アットダイム|ジャンル|AV・デジカメ|【ゴン川野のPC Audio Lab】数百円で確実に音質向上効果が狙える「オペアンプ交換」
フルテック 24bit/192kHz対応USB DAC搭載ヘッドホンアンプ【ブラック】ADL(ALPHA DESIGN LABS) ADL-X1-Black
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評価法
評価自体はベーシックに
- 解像度
- ダイナミックレンジ
の2点を評価しました。
ASCII.jp:オーディオを「いい音」で楽しむ3大チェックポイント (1/3)|いい音で音源を楽しむための基本を解説 PCオーディオ入門
とか読むとトランジェントもチェックポイントに含まれてますけど、これはかなり主観的な項目で参考にならないと思うので省略です。
解像度は僕が最も重視している項目です。先ほど書いたようにハイレゾの特長は原音の再現性の高さですから、高い解像度は原音再生の正確性に直結します。ダイナミックレンジは音の抑揚・強弱を示す項目です。よく低音が響いているとダイナミックレンジが~みたいなことをいう人もいますが、これは間違いです。低音一つとっても、弱いけど響く低音や力強く響く低音、力強いが響かない淡白な低音などを描き分ける能力、音の幅を評価するのがダイナミックレンジです。
イヤホン
マニアって怖いね、たった二人でこんなにイヤホン持ってこられても全部聞けないよ・・・。いや聞けるけどさ、違いがわかんなくなるよね。ってことで、これは今度価格別で改めてまとめよう。あ、ちなみにテスト音源は以前紹介したサイトの24BIT/192kHz FLAC音源を使っています。いつものことですが、僕はクラシックやダンス・電子音楽がメインでロックはまるで聞かないので、ズンドン系の低音はあまり重視しない傾向にあります。
SHURE SE215
いきなりSHUREとか読んでる人ひいちゃうよ、って、え?1万きってるの!?
カテゴリーはカナルタイプのダイナミック型ですね。あ、ダイナミック型とかBA型とかについては以前の記事で説明してるので読んで下さい。
新色は俺の嫁~MOMENTUM On-Earに新色デビュー~ - ネットワークオーディオラボ ぶろぐ
解像度は7点、初っ端からあんまり高い点数つけると後で満点の点数変えないといけないかもしれないしね(笑)ダイナミックレンジは6点ってとこかな、低音はきっちりと響いてるけど、低音の細かい描き分けがそこまでいいとは思えない。しかし安いなー、もうこれでいいんじゃない?
SE215とかいうイヤホン買ったんだけどさ | 音楽がないと生きていけない系ヲタがまとめてみた
SHUREのロングセラー機「SE215」、その実力を改めて検証する - Phile-web
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SHURE SE425
カスタムIEM持ってこられても・・・ってことで次に持ってこられたのがSE425。またSHUREか、2万5000円ってか・・・もうスピーカー買おうぜ。なんて心のなかで思いつつ、試聴。こっちはBA型ですね。
解像度は7.5点、SE215よりは透明感ある感じ、でも本当に感じだね。ダイナミックレンジは7点!BAなのに低音がいいよ、音の響きとかじゃなくて音が本当にいい。表情のある低音みたいな感じ、でも低音の響き重視ならSE215でいいんじゃね?
SHURE「SE425」を鴻池賢三がレビュー − 人気イヤホンの実力に改めて迫る (1/2) - Phile-web
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ATH-CKM99
もうSHUREはいいよっていったら次はオーテク来ました。価格帯的にはSE215よりちょっと上って感じかな。カナルタイプのダイナミック型ってのもSE215と同じですね。
解像度は7点、だけど高音は綺麗。キレはあるけどノビがない、そんな高音。低音は明らかに量感不足でダイナミックレンジは5点。どうにも抑揚が感じられない。音はいいのになー。
オーディオテクニカ・ステーション | ATH-CKM99 欠点がほぼなくなった完成度の高いダイナミック型カナルが登場
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XBA-H3
最後は最近発売されたSONYのXBA-H3。まだ3万円超えで気軽に手が出せないお値段かな。カテゴリーは密閉型インナーイヤー。BA型とダイナミック型を搭載したハイブリッドイヤホンってことだけど、まぁ基本はBA型の鳴り方って認識でいいかと。低音の力強さはダイナミックの特性出てる。インピーダンスは高めなのでアンプ推奨です。
初心者用: ヘッドホンのスペックの読み方 - ネットワークオーディオラボ ぶろぐ
解像度は7.5点、8点でもいいかな。微妙にSE425よりいい気がするけど、持ち主はSE425のほうがいいって言ってたので7.5点で。高音がキレすぎてたまに耳障りすらするのは僕だけかな。でもそのくらいいい高音出してます。ダイナミックレンジはまさかの8点、これはいいよ。量感あるし、音の描き分けもかなり精密に出来てる感じ。これはもうちょっと安くなったら1台僕も買おうかなーって思いました。繰り返しますが、このイヤホンでDAP直挿しはダメだよー。
あとがき
疲れたのでとりあえず今回はここまで。
二人共まだたくさんイヤホン持ってて、色々聞かせたがってたのでまたやりますね(笑)
ご協力有難うございましたm(__)m