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絶対失敗しないPCオーディオ DAC選びのコツとおすすめのDAC(後編)

はじめに

2週連続DAC特集、前半ではDACの必要性と選ぶポイントについて説明しました。

絶対失敗しないPCオーディオ DAC選びのコツとおすすめのDAC(前編) - ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

後編では様々なDACを聴き比べた上で、音質について比較していきたいと思います。

売れ筋はひと通り試聴できたと思いますので、参考にしてみて下さい。

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http://www.flickr.com/photos/weavingmajor/4363929886/

 

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リファレンス環境

予算別PCオーディオまとめ - ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

でまとめたように、予算の目安が3万円以上であればDACを検討する価値があります。3万円以下であればとりあえずスピーカーを検討して下さい。

スピーカー

DACを使うことによって音ノイズが減少すると、音の微妙なゆらぎが低下します。今回はこの微妙なゆらぎを正確に聞き分けられる再現能力の高さと再生周波数帯域の広さを兼ね備えたスピーカーということでKENWOODのLS-K901を使用させて貰いました。音の艶っぽさなんかはあまり感じられないですが(笑)モニタースピーカーとしてはかなり優秀ですね。

 

アンプ

当初プリメインアンプは、入力端子が豊富なONKYOのA-9050を使おうと思って試聴してたんですが・・・まさかの違いがほとんど分からんという結果に(汗)ってことで、ちょっとPCオーディオってコンセプトからは離れるんですが、あくまでもメインはDACの性能比較ということで、オーバースペック気味ですがDENONのPMA-2000REを使わせて頂きました。

 
 

 DAC比較

では比較していきましょう。特別な断りがない限り、USBでPCと接続できるタイプを選んでいます。

10000円以下(3万円以下のPCオーディオ向け)

MUSE Audio USB-DAC ヘッドフォンアンプ Burr Brown PCM2704
  • DACチップはPCM2704
  • 対応周波数は16bit/48kHz
 FOSTEX PC100USB
  •  DACチップはPCM2704
  • 対応周波数は16bit/48kHz

オペアンプの銘柄を気にされる方も多いですが、音質差が回路全体の完成度によるものなのかオペアンプによるものなのか、はたまたDACチップの性能差なのかの識別はぶっちゃけ無理です。個人的な印象では、 相対的にDACチップの銘柄が音質を左右する要素として重要だと思いますので、DACチップの銘柄は書くようにしています。

 

作りはPC100USBのほうがかっちりしてますね。意図している音の特性は似通っていて、中音域のクリアネスを重視しているように思います。対応周波数は48kHzまでですので、当然ながらハイレゾ音源聞きたい人はごめんなさい。最低でも96kHz以上対応のDACを選んで下さい。

 
 
  audio-technica AT-HA40USB
  • DACチップ(不明)
  • 対応周波数は24bit/96kHz

商品の主目的はヘッドフォンアンプですが、価格に対して不釣合いと言わざるを得ないほど高性能なDACチップを積んでいるシリーズなので、試聴オススメです。AT-HA40USBではさすがにAK4396を積ませるわけにはいかず、銘柄不明の低性能DACチップを積んでいるようですが・・・。このシリーズの特長はなんといっても高音の解像度の高さです。

 
 
FOSTEX PC100USB-HR
  • DACチップは不明
  • 対応周波数は24bit/96kHz

 上で紹介したPC100USBの後継機でハイレゾ対応+出力アップです。ボディはステンレス削りだしになっており、マッカーにとっては最高のデザインかもしれません。ボリュームつまみのトルク感がゆるく・・・というレビューがあります。ゆるくというよりは若干滑らかになったという方が正しいかな。対応周波数が広くなっただけで音質自体は100USBとほとんど変わらず、なのでハイレゾを気にしなければ100USBで十分です。パッシブスピーカーを鳴らしたいのであれば、同時期に発売された200USBを使ってもいいんですが、スペックがちょっと微妙なんです。

 

 

 

 

 20000円以下(5万円以下のPCオーディオ向け)

 audio-technica AT-HA70USB
  • DACチップはAK4396
  • 対応周波数は24bit/96kHz

 以前、ヘッドフォンアンプという選択肢 - ネットワークオーディオラボ ぶろぐで紹介したAT-HA90USBの前機種で、先ほど紹介したAT-HA40USBの上位機種。AT-HA90USBとの違いは24bit/192kHzまで対応しているかどうかだけ。96kHzまでで良ければ実勢価格で半額近いし、コストパフォーマンスに非常に優れる機種。音の特性はやはり高音域での解像度重視。女性ボーカルとか金管とかの音はかなり綺麗に抜けます。

 
 Audinst HUD-mx1
  •  DACチップはWM8740
  • 対応周波数は24bit/96kHz

 後継のmx2が出たもののまだまだ現役。この価格でここまで、と感心させられるほどチップ一つ一つにこだわりを感じさせられる良質DAC。ただ音作りに関する方向性についてはあまりハイレゾとの相性が良くなく、正確性よりも耳馴染みの良さを重視している印象を受ける。音の正確性よりも美しい滑らかな音が好みなら試してみてもいいのでは?といった印象。良くも悪くもWolfsonらしさが出ていて、僕とはやっぱり相性悪いなと再認識。いいんだけどなんかいい感じに誤魔化されてる気がする、そんな音。

 

そういえばWM8740は、

我輩はハイレゾを外に連れ出すである - ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

で試聴したAK100に内蔵されているDACチップと同じものです。

 

  40000円以下(10万円以下のPCオーディオ向け)

ちょっといいDACってなると40000-60000くらいの価格帯に突入してくるんですが、個人的には結構ここらへんの機種の判断に迷っています。新規で揃えるなら、DACの前にスピーカーとアンプに投資すべきだし、15万円くらいの予算ならDAC内臓のプレイヤー買ったほうがいい気がするからです。もちろん日進月歩なDAC市場におけるディスクリート構成の価値は充分に理解しているんですけど・・・。

TEAC UD-H01
  • PCM1795のデュアル構成
  • 32bit/192kHz

DACの上位機種や高級ネットオーディオによく見られるのがDACチップのデュアル構成です。これも細かい話をしだすときりがないので端的に特長をまとめておきますが、デュアル構成にすると

  • 解像度
  • 音の立体感が増すことによる臨場感

が明らかに向上します。本機種は実勢で3万円を切っているにもかかわらず、デュアル構成を採用している非常にコストパフォーマンスに優れた機種です。音の特徴は優等生のBurrBrownらしいどの音域も満遍なくクリアになります。この特徴のないいい音こそがBurrBrown製DACチップの特長といっていいでしょう。

 

ネットで報告されているUSB接続時のノイズについて、今回の試聴では確認できなかったので個体差があるようです。豊富な入力端子を持っているので、前回少し触れたDDC(iFi micro iLink)をかませた同軸接続を試してみたところ、音の印象がかなり変化しました。DDCを使った音の味付けを楽しめるというのも本機の魅力の一つかもしれません。

 
 

 まとめ

ということで価格別に6台のDACを見てきました。比較的高価なDACに関する記事はネットでも散見されましたが、廉価DACについての比較記事はあまりなかったので参考になればと思います。

 

中級者以上の方におまけということで、今回は初心者向けの記事なので紹介を控えましたが、ResonessenceのHerusはかなり魅力的なDAC・ヘッドフォンアンプで、試聴に参加していた3人中2人がお買い上げという恐ろしい物欲刺激能力を発揮していたので、興味のある人は一度試聴に行ってみて下さい。