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ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

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ハイレゾ時代の新コーデック『LDAC』の可能性

はじめに

 さて、今回はXperia Z4 Tabletに採用が決まったことで注目度が高まりつつあるLDACについて解説をしていきたいと思います。

LDACの辞書的な定義はBluetoothのオーディオプロファイル(A2DP)で利用できる新しいコーデック、といっても分かりにくいのでサクッと書くと『音声データをどういう風に圧縮して(しないで)飛ばすか』って話です。

要約

  • LDACの音質はapt-Xに比べて若干の進化が見られる。
  • 目指すべきは理想化された状況での絶対的な音質向上ではなく、Bluetoothが現実に使われる環境での相対的な音質向上では?Bluetoothが使われる環境を考えればapt-Xが優位。

この業界の標準はSBCという方式ですが音質劣化が凄まじく大きいことがオーヲタの間では有名で、より音質的に有力な方式としてAACやapt-Xといったコーデックが提案されてきました。(詳しい話は過去の記事を参照)

LDACは最大でSBCの3倍の情報伝送量を誇っており、これまでよりも高音質の音声が楽しめる一方、遅延に関してはSBCと同程度なので遅延に関してはapt-Xに一日の長があるかなという印象です。コーデックなので当たり前ですが音の受け手と送り手両方がLDACに対応していないと恩恵は受けられない&LDAC対応製品は現在のところSONYのみ(SONYが開発したので当たり前だけど)、ライセンス化するみたいなので抱え込みしないのはありがたいけど先行きはまだ不透明というのがデメリットといえばデメリットです。

試聴

今回はNW-ZX2からFLAC96kHz/24bit・192kHz/24bitの音声データを990kbbs(なんで990kbbsが最高かって言うとBluetoothは規格上1mbbs以下にしないといけない制約があるからなんです。)で飛ばして、

 MDR-1ABTに再生してもらいました。音飛びやノイズの影響を防いで990kbbsを最大限活かすため防音室で試聴・・・なんか実用的にはそうじゃないだろ感がしなくもない環境ですが(笑)

SBCとの違いは明らかなので、比較対象は以前にやったapt-Xと有線にしました。ワイヤレススピーカーのSRS-X55はLDAC対応ですが何故かハイレゾ非対応というちチグハグな製品なので今回はレビューしません(だったらせめてapt-Xにも対応させなさいよっていう)。

 

ソニー ワイヤレスポータブルスピーカー ブラック SRS-X55/B
 

 感想

まず元データの再生周波数の違いはさっぱり分からず(これはapt-Xでもそうだった)、apt-Xとの比較でボーカル音は確かにLDACのほうがいいと思う;より滑らかに聞こえました。音質は高音・低音ともに非常にしっかりと鳴らせていましたがapt-Xととの違いはあまり分からず、敢えて言えばやや低音域の厚みがちょっと増したかな程度;高音のキレ感はBluetoothでは無理だと思う。有線接続との比較で行くと音場感(立体感)はどうしても失われてしまう(音場感スバラCみたいなレビューをたまに見ますが個人的にはあり得ない感想)ので、やっぱりここらへんがワイヤレスの限界かなという印象。そもそも遅延が起こりにくい環境を頑張って作って試聴しているので遅延については不明。

まとめ 

ハイレゾのための新コーデックという位置づけで確かにこれまでのコーデックよりも音質の向上に成功したLDAC。ただハイレゾを求めている人間からすると「これまでハイレゾはワイヤレスでスカスカにしか聞こえませんでしたが、これからはCD音質程度で聞けるようになりました」と言われて食指が動くかというと・・・。Bluetoothが使われる場面で一番意識すべき外部環境からの干渉、遅延に対する脆弱性はそれほど既存コーデックから改善されておらず、理想化された状況での音質向上を目指す今の方向性ってなんか違うんじゃないの?という感想。自宅内でポータブルスピーカーって使い方はまだ説得力があるものの、僕らはみんなもっと優秀なネットワークオーディオ環境組んじゃってるんだよねっていう・・・。

今後のSONY製品がapt-X非対応LDAC路線に突き進むのだけは避けて欲しいし、もしそういう方向に行くのであればMDR-1ABTはapt-X対応の最後のヘッドフォンになったりするのかしら(そうならないことを切に祈っております)。

追記

アスキーさんから同趣旨の比較記事が出ました。