ボーナスで買うべきハイコンポ2018
はじめに
今回はピュアオーディオ未満、 ミニコンポ以上をハイコンポとして定義したうえで、ハイコンポについてまとめました。タイトル通り、「ボーナスで音響機器を揃えたいので、適当に見繕ってくれ」と知り合いに頼まれたことから始まった企画です。予算はMAX20万円までとのこと。
ミニコンポ企画でも実感していることですし、ネットオーディオの記事にも
かつてハイコンポはCDのプレーヤーとプリメインアンプとスピーカーの三位一体であったが、このころ構成に変化が生じている。これはネットオーディオの進化によるところが大きい。
と書かれているように、機器の構成はドラスティックに変化しているので、標準的なコンポだけでなく、ピュアオーディオライクなディスクリート構成(プレーヤーとアンプ、スピーカーを別々に選んで組み合わせる)も候補に入れています。
たたき台にしたのは、家電批評201808の記事『ピュアオーディオ超入門』です。
試聴
視聴環境は友達(上記とは別の知り合いですが)の家のリスニングルームを利用させていただきました(最近新調したので自慢したかったそうです笑)。都心では無理なスペック、羨ましい(^q^)
アンダー10万円
たたき台は、家電批評で推奨されていた組み合わせ:TOPAZ CD10+PM5005+SPEKTOR2
CD再生に特化するなら、TOPAZ CD10は非常に満足度が高いプレーヤーですが、Amazonレビューにもあるように、非常に初期不良が多いので注意。前述したように、最近は再生する音源が多様化しているので、CD以外にもストリーミングなど色々と再生してみたい初心者にはやや不向きな提案です(再生できないことはないですが手間ですし、音質が落ちます)。また、かりにCDの再生だけをしたいのであったとして、素直に同じMarantzのCD-5005と組み合わせたほうがデザインの統一感があるように思います。解像度はややTOPAZ CD10が上ですが、音の総合力でもこちらのほうが収まりがいいです。
解像度を追求したいなら、DENONの755REも定評があるので試聴推奨です。プレーヤー単独の能力では、このクラスで一番優秀だと思います。
プリメインアンプはこの価格帯だと鉄板のPM5005で不満がありません。対抗馬はDENONのPMA-390REになるでしょうか。解像度ではPM5005がかなり上、DENONのほうが量感はありますが、その分音もやや粗いので、よほどのことがない限り、PM5005でよいと思います。
ついでにSONYのSTR-DH190も試聴してみました。U2万円にしてはしっかりとした音を出しているように思いますが、やや中途半端感があるといった印象でした。
さて、単独ではDENONのプレーヤーとMARANTZのアンプが優秀でしたが、強い者同士を組み合わせても必ずしも音質がよくならないところが、音響機器の面白いところです。結論から言えば、今回の組み合わせではDENON/MARANTZよりもDENON/DENONの組み合わせのほうが満足度は高かったです。ハイコンポの優位性である
総合的な設計を施せる・・・相互的なバランスをとることによっても音質を向上させることができる。
が実感できるいい事例だと思うので、こちらも比較試聴推奨です。
しかし、初心者向けならそもそもディスクリート構成にしなくてもええじゃないか、ということで、いつものM-CR611。エントリークラスの独立アンプと比べて、ほとんど遜色ない音が、面倒くさい配線無しで手に入り、様々な音源を再生できる能力もあるので、CD再生によほどのこだわりがあるのでもない限り、まずこれを選んでおけば間違いないように思います。
DALIのSPEKTOR2はこのブログでも何度も取り上げている超ハイコスパなスピーカーのシリーズ。SPEKTOR1との違いは、2のほうが一回り大きく、特に低音の量感が一回り大きい点。高音や解像度はほとんど変わらないので、許容できるサイズに合わせて好きな方をセレクトすればよいと思われます。
TOPAZ CD10の高解像度を徹底的に強調したいなら、スピーカー比較試聴(7選)で試聴したONKYO D-112NFXも面白い選択肢です。
また量感はいらない・コンパクトなシステムを組みたい、ということであれば、Q Acoustics 2000iも有力候補です。
検討した結果
- M-CR611+SPEKTOR1/SPEKTOR2(お手軽でオススメ)
- DCD755RE+PMA390RE+SPEKTOR1/SPEKTOR2(音質重視)
- DCD755RE+PM5005+D-112NFX(解像度追求)
- TOPAZ CD10+PM5005+SPEKTOR1/SPEKTOR2(家電批評の推奨構成)
アンダー20万円
たたき台は、家電批評で推奨されていた組み合わせ:CD6006+ZENSOR5AX。先程のプレイヤー+アンプ+スピーカーの構成ではなく、プレイヤー+アクティブスピーカー(アンプ内蔵型、パワードスピーカーとも)の提案
この形のダリのアクティブスピーカー聞くのは何気に初めてでしたが、十分な音質でしたね。先述した「総合的な設計」といった場合、プレーヤーとアンプの相性よりも、アンプとスピーカーの相性のほうが、音質に与える影響は圧倒的に大きいです。したがって、配線的にも音質的にも、アクティブスピーカーというのは合理的な選択肢です(相性を考慮したディスクリートには敵いませんが)。
アクティブにするかどうかはさておき、アンダー20万円くらいまでは、スピーカーに集中投資することをおすすめします。SPEKTORに追加投資して音質の向上を実感したければ、第一候補は以下の記事でも試聴に使ったKEFのQ350です。SPEKTORより高い解像度を実感することができます。
networkaudiolab.hatenablog.com
よりキラキラ感を重視したければB&Wの686S2も鉄板の選択肢です。Amazonにはないようですが、Monitor AudioのSilver100/200あたりも比較試聴しておくと、自分の好みがわかると思います。
プレイヤーとアンプは先程のお手軽なM-CR611やDENONセットで大丈夫だと思いますが、グレードアップしたければ、Marantzのミドルクラスセットがいいと思います。しっかりと音質の向上を実感できる組み合わせです。このクラスからはハイコンポと言うのがさすがに憚(はばか)られるので、ピュアオーディオとの境界線になるように思います。
検討した結果
- M-CR611+Q350(お手軽でオススメ)
- M-CR611+686S2(お手軽でオススメ・キラキラ感)
- CD6006+PM6006+Q350/686S2(音質重視)
- CD6006+ZENSOR5AX(家電批評の推奨構成)
さいごに
僕の友達はM-CR611+Q350にしたそうです。プレーヤーをPCにするPCオーディオであれば、プレーヤーに投資していたお金をスピーカーとアンプに投資できるので、もう少しリッチな構成も可能です。以前に書いたPCオーディオの記事もいつの間にか4年前なので、そろそろアップデートしようかしらと思いました。ではでは。