DACをパワーアップするDDC
ネットワークオーディオでフルシステムを組む場合、通常の構成は
「NAS→ネットワークオーディオプレイヤー→プリメインアンプ→スピーカー」
さらに凝るなら
「NAS→ネットワークオーディオプレイヤー→DAC→プリメインアンプ→スピーカー」
ということになるが、実はマニア向け構成としてさらにDDCを加えるバリエーションが存在する。僕自身半信半疑だったが、元ESSのオペレーションズ・ディレクター、マーク・マリソン氏が創設したメーカーであるResonessence Labsが作ったDDCとなると話は別だ。(ESSのDACチップは高解像度で定評がある)
記事ではX-DU1、RDD-06、D12Hjとの組み合わせが紹介されている。概ね高評価のようだ。僕はこれに加えてESOTERIC D-05(知人所有物)とAudiolab M-DACでも試してみたところX-DU1では音が全般的に強化された印象、D-05では音の切れ味が少し増した印象、逆にM-DACではほとんど違いを感じられなかった。やはり同一メーカーによるDACチップを搭載した機器のディスクリート構成(M-DACはESSのES9018採用) は恩恵が小さいのかな、というのが正直な感想。X-DU1との組み合わせは確かに面白かったので、X-DU1オーナーは試してみる価値があると思う。
余談ではあるが、CONCEROとM-DACのDACとしての違いを聴き比べてみた。恐ろしいことに、本当にES9023ってES9018より廉価チップなの?ってぐらい音の透明感には違いを感じられなかった。多少迫力不足な面は否めないけど、レベル高いチップですね。
Resonessence Labsが作った超コンパクトなUSB/DAC&DDC『CONCERO』
- 『CONCERO』はちょっと変わり種で、同軸出力のDDCとして使えるだけでなく、USB/DACにもなるという製品だ。
- 操作は付属のApple『Apple Remote』というMac製品用のリモコンでおこなう。
- ES9023はAudioQuest『DRAGON FLY』も使っている高性能チップ
- Nmode『X-DU1』を接続してみよう。空間表現の得意な『X-DU1』の音像定位がさらに向上した。ちょっと高域のにぎやかな感じが抑えられて落ち着きある音になった。
- 骨太でガッチリした音を聴かせるRLTEL『RDD-06』に使うとどうなるか。中低域に厚みが増した。ボーカルがハッキリ聞こえるようになった。・・・ノーマルの『RDD-06』の音とはかなり違う世界が拓けた。
- iBassoAudio『D12Hj』に接続してみよう。低域に馬力が出てきた。音はクリアーで歯切れが良く、スッキリした感じになった。
- 『CONCERO』は5万9800円のハイコスパで、同社のハイエンドモデル『INVICTA』64万8900円のテクノロジーが反映
- DDCとしての効果は、複数のDACで確認したところ音像定位の向上、ハイサンプリングで透明感が増したり、高域の抜けが良くなるなどハッキリとした音質向上効果
- デジタル端子はUSBデータ通信時にはデジタル出力となり、USBパワーケーブルでの給電の場合にはデジタル入力になります(自動切り替え)
- USBバスパワーで動作する低消費電力設計
- サイズ:W99mm、D101(RCA突起含む107mm)、H23mm(足含む25mm)
- 重量:約375g
- Resonessence Labsブランドを展開するBCIC Designs Incが、元ESS TechnologyのMark Mallinson氏により設立された音響メーカー
- USB DDCとして利用できる 「USB-S/PDIF ブリッジ」モードも用意されている
- アポダイジングフィルター方式によるアップサンプリングは、音質の良さで注目されている
- 音色傾向は、丁寧で繊細なイメージ。ニュアンス表現が巧みで、音楽の細部まで良く届いてくる。脚色のないナチュラルテイストのサウンドは、まさに「ES9018」直系のものといえる。しかしながら、音色傾向が似ているだけに「ES9018」と比較してしまい、ダイナミックレンジの幅広さに関してやや不利と感じてしまう面も。
- 44.1k/48kHzメインの人や、良質なUSB DDCがほしい人には、もってこいの製品