Bluetoothスピーカーを馬鹿にして人生を棒に振った人のお話
一昔前にBluetoothスピーカーを使っているなんていうと、オーディオマニアの間では小馬鹿にされたものだ。というのも、Bluetoothで音を飛ばすと音質が絶望的なレベルで劣化するからである。
そもそも何故Bluetoothの音が悪かったというと、これは無線で音声データを飛ばす前にそのデータを圧縮するためだ。無論、圧縮自体がそれすなわち悪ということでもなく、音質と通信速度を比較衡量した上で最適なバランスがとれていれば総合的な満足度は高くなる。しかし、既存のBluetoothで採用されてきた圧縮方法であるSBCはスピード重視の圧縮方法であり、音質の観点からは必ずしも推奨されない点がネックだったわけだ。
しかし最近になってこの流れを見直す動きが出始めた。典型的な手段がスピード重視の圧縮方法であるSBCから、より音質重視の圧縮方法を採用するという方法である。ここで覚えておくキーワードがAACとapt-X、どちらもSBCに代わる音質を重視した新しい圧縮方法である。まず、AACだが、圧縮自体はSBCと同じく非可逆圧縮(一旦圧縮すると圧縮後ファイルから元ファイルを復元できない)のため音質劣化を招く圧縮方法である。しかし、音楽ファイルがAACに対応していれば、圧縮せずにそのまま転送できるので、音質劣化を避けることが出来る。主にAACはApple製品で用いられている。そしてもう一つがapt-X、こちらは、遅延が約32ms(SBCは200~250ms)、SBCの5倍のビットレートで圧縮率は約4分の1と音質を重視した圧縮方法になっている(こちらも結局非可逆圧縮だけど)。
ここまで読んできた人で、AAC / apt-X を利用してお手軽に高音質生活を始めたい人に一つ注意点としては、受け手であるスピーカーだけでなく、音楽を再生する機器側もAAC / apt-Xに対応している必要がある点だ。この点については、機器を購入する前にBluetoothの項目をしっかりと確認しておきたい。
実はこの記事を書いたきっかけはlifehackerの記事なんだけど、AAC / apt-Xといった最近の潮流が全く反映されていなかったので、AAC / apt-Xといった最新コーデック対応のBluetoothスピーカー最新ベスト5(あくまでも私的で実質ベスト4だけど)を紹介したいと思う。
SONY BTX500
SONY ワイヤレススピーカーシステム BTX500 ブラック SRS-BTX500
- 出版社/メーカー: ソニー
- 発売日: 2013/02/16
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (3件) を見る
ぶっちゃけた話、僕はSONYがあんまり好きじゃないんだけど、この製品はすごい。低音だとBose「SoundLink」シリーズに譲るけど、中高音域での圧倒的な表現力とBluetoothとはとても思えない解像度の高さはこのクラスで随一。
Creative ZiiSound D5
Creative ZiiSound D5 ワイヤレス スピーカーBluetooth A2DP apt-X AVRCP SP-ZSD5
- 出版社/メーカー: クリエイティブ・メディア
- 発売日: 2010/04/30
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
何故ここまでセールスが低調なのか全く理解できない高音質とデザインを兼ね備えたBluetoothスピーカー。音の味付けが若干派手すぎるのはご愛嬌。日本人好みの音作りだと思うんだけど売れなくて可哀想。レッドドットデザイン賞も受賞。
foxL V2
【国内正規品】foxL V2 スピーカー(Bluetooth/apt-X対応)プラチナエディション
- 出版社/メーカー: soundmatters
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 3人 クリック: 230回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
コンパクトなサイズで音質を重視するならやっぱりfoxL V2になるか。このスピーカーは出自が面白くて、foxL V2を作っているSoundmattersって会社は、NASA出身の物理学者ゴーデハルト・グンサー(Godehard Guenther)博士がこのポータブルスピーカーを販売するためにわざわざ作ったそうだ。このサイズで恐ろしい低音を響かせるので初めて聞いたときは狐に化かされた気分がした。
BRAVEN 650 & BRAVEN 600
【国内正規品】BRAVEN 650 バッテリー内蔵ポータブルBluetoothスピーカー BZ650SBA
- 出版社/メーカー: BRAVEN
- 発売日: 2012/11/15
- メディア: Wireless Phone Accessory
- この商品を含むブログを見る
音質はfoxL V2に譲るけど、デザインを重視するならこちらに分があるか。650はapt-X対応で、600はAAC対応だけど、駆動時間に大きな差(20hと12h)があるので、アップル信者でなければ650でいいだろうと思う。
【BRAVEN/ブラヴェン】BRAVEN600 ash grey (アッシュグレイ)BR-1001 特性マグネシウムアルミボディ ポータブル Bluetooth スピーカー BZ650GBA
- 出版社/メーカー: BRAVEN
- メディア: Wireless Phone Accessory
- この商品を含むブログを見る
参考
Bluetoothのオーディオ機器を高音質で楽しむための「AAC」と「apt-X」
そろそろBluetoothスピーカーが欲しいと思っているあなたへ:ベスト5はこれだ!
デザイン、音質、防水…今買いたいBluetoothスピーカー5選
音楽好きもうなる最新機種続々! Bluetoothスピーカー3機種実力比較