ヘッドフォンアンプという選択肢
常日頃、スピーカーを中心に据えたシステムを中心に機器紹介をしているわけですが、言うまでもなくいつもスピーカーを鳴らせる環境でリスニングが楽しめるわけではありません。マンションの防音が心許なかったり、職場だったり理由は様々でしょう。
こういう環境で活躍するのがヘッドフォン・イヤホン(以下、ヘッドフォンで総称)ですが、このヘッドフォンの音質を改善する有力な選択肢が今回紹介するヘッドフォンアンプです。
ヘッドフォンアンプとはヘッドフォン専用のアンプで、音圧・音質を向上させてくれる機器。特に1万円を超える高級なヘッドフォンはそもそもアンプに繋げることを前提に設計されているため劇的な音質の向上を体験できるし、通常のヘッドフォンでも恩恵は充分に体感できると思います。
一口にヘッドフォンアンプと言ってもオーディオ機器だけあってやはり価格はピンからキリまであります。ヘッドフォンアンプの頂点として有名なLUXMANのP-1uは実勢で15万円程度、逆にボリュームコントローラーという名前のUSB DACでヘッドフォンアンプとしても利用可能(説明がカオス(笑))なFOSTEX PC100USBは実勢5,500円程度で入手可能です。
好評を博したSONY PHA-1の後継機PHA-2も気になるところですが、今回はPCと接続して楽しめる据置機という観点から、オーディオテクニカが発表したAT-HA90USBを紹介しましょう。
- 24bit/192kHzに対応(AT-HA70USBは24bit/96kHzまで対応)
- DAC内蔵ヘッドフォンアンプ
- DACチップは旭化成のAK4396
- 外形寸法は80×95×24mm(幅×奥行き×高さ)
- 重量は約180g
- 光デジタル出力が1系統用意されているのでDDCとしても利用可能
VGP2013のヘッドホンアンプ(据え置きタイプ・5万円未満) 部門で金賞をとったAT-HA70USBのパワーアップした正当な後継機ということで否が応でも期待値は高まります。必要最低限のコンパクトでムダのないデザインは継続されているようで、好印象です。
個人的な印象として、旭化成のDACチップはバーブラウンやウォルフソンに比べて透明感に優れているという特徴があります。おそらくこれは解像度の高さに起因するもので、ハイレゾ音源の性能を発揮するには充分なチップです。同様のチップを積んでいるAT-HA70USBを聞き直してみましたが、音の表現力には多少劣るものの輪郭を際立たせる的確な再生能力は抜群だと思います。AT-HA70USBは低音域の量感が今ひとつでしたが、どこまで改善しているかが一番の関心事です。
追記:そういえば実機の試聴結果を書いてなかったので(笑)追記します。ちょっとレビューとかを読んでみると使用感に酷評が出ているようで売れ行きもいまいちの模様。そんなに悪い機種じゃないので残念ですが、確かに作りこみはいまいちかも。(このあたりも含めてオーテクらしさなんだけどとか言ったら殺されそう;笑)音質ですがやっぱりAKチップの良さを最大限に引き出せていてさすがオーテクといった印象。低音域の量感はまぁそれなり(あんまり改善されてなかった)でしたが、だからこそ聞いていて疲れないとも言えるわけだしデイリーユースには最適?問題はやっぱり価格帯で、
とか見れば分かるんだけど、やっぱり20,000は超えちゃダメなんだと思う。10,000以下のDAC買ってる人で、もう少しいい音を!ってなった時の受け皿となるべき製品なんだしね。実勢価格が今のHA70USBくらい(18,000)になった時に一気に売れ出すのではないか、そんな気がしています。
audio-technica USBヘッドホンアンプ AT-HA90USB
- 出版社/メーカー: オーディオテクニカ
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: エレクトロニクス
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audio-technica USBヘッドホンアンプ AT-HA70USB
- 出版社/メーカー: オーディオテクニカ
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
(参考)
オーディオテクニカ、真空管搭載の「AT-HA22TUBE」などヘッドフォンアンプ2機種
オーテク、24bit/192kHz対応のUSBヘッドフォンアンプ