音像定位って何よ!?
このブログでは、一人の独善的な意見の偏りに左右されないように専門家やアマチュアのレビューも引用することが多いのですが、彼(女)らのレビューには大きな問題があります。それは❝専門用語❞が多いこと。せっかくオーディオに関心を持ってレビューを読んでみても、何を書かれてるのかが分からなければ意味がありません。
http://www.flickr.com/photos/ores2k/394359583/
具体例
今回取り上げる❝音像定位❞もその一つです。例を挙げましょう。
- 空間表現の得意な『X-DU1』の音像定位がさらに向上した。
- DACで確認したところ音像定位の向上
from DACをパワーアップするDDC
- JET Vの音にはクセがなく音の広がりと音像定位の良さが感じられた。
from ハイレゾ対応の最新ツイーターを搭載したELACの小型スピーカー『BS403』
音像定位
それじゃ、音像定位とは具体的に何なんだって話に移りましょう。今あなたの5メーター左後ろからあなたを呼ぶ声が聞こえたとしましょう。この時、音の聞こえた方向(左後ろ)や距離(5メーター)を知覚する能力を音像定位能と呼びます。言い換えれば、音像(方向や距離を持った音)の位置を定めているわけです(左右の耳に聞こえる音の時間差を利用します)。
ここまで理解すれば後は簡単です。そもそもオーディオの基本思想というのは、あたかもコンサートホールで生演奏を聞いているかのような感覚を視聴者に体感させることにあります。したがって
- コンサートホールで生演奏を聞いた時に我々が知覚する音像
と
- オーディオを通して演奏を聞いた時に我々が知覚する音像
が近ければ近いほど理想的と言える訳です。
まとめておくと、『音像定位が良い』とは『より正確な臨場感を再現してくれる』という意味になります。そしてそうした特性が
- 眼前でヴォーカリストが歌っている
- (眼前で)奏者が楽器を奏でている
- 空間表現
という表現につながるわけです。
では『定位がずれる』という表現はどういう意味でしょうか。『オーディオで臨場感を感じる』というのは悪い言い方をすると、我々の立体的な知覚を、スピーカー2つ(とは限りませんが)が発生させる音の時間差で騙すということです。ということは、スピーカーの想定している音の時間差を発生させる位置に我々がいなければ錯覚が起こらないことになります。当然ですが我々の位置取りが悪ければ、
- ボーカルがセンターにいない
と感じてしまうかもしれません。これが❝ずれ❞の原因です。
ではスピーカーはどのように配置すべきなのか?このあたりは細かい話をしだすとマニアックになるので、そうした細かい話は詳しいHPに譲る(スピーカーセッティングとかでググるとコアな世界が待っています)として、ここでは簡単な方法を紹介しましょう。
❝左右のスピーカーと自分の頭が上から見ると、正三角形になるように配置する”
これ自体はどこでも書かれているので補足しておくと、正三角形になるように配置し、スピーカーからではなく、スピーカーとスピーカーとの間、つまり自分の正面から音が聞こえるように配置することが重要です。こうすることで、自分の正面に音像を作り出すことができるわけです。そして正面よりずれた位置から音が聞こえる場合は、左右のスピーカーを正面に近づける・遠ざけることで調整してください。たまにスピーカーを自分に向けて斜めに配置する人がいますが、指向性など一部のスピーカーを除いて、そうする意味は皆無ですので、正面を向けて配置してください。
(参考)