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ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

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2017年のオーディオ雑談、今年聞いてよかったもの

はじめに

年の瀬が迫ってまいりましたので、今年も時代錯誤イベント:ニコンポ試聴会の季節がやってきました。今年は10月中旬からメンバーの募集と会場の調整を始めたかいあって、なんと総勢22名で執り行うことができました。

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photo credit: wuestenigel Lampions in Hoi An, Vietnam via photopin (license)

 

さてさて、今年のオーディオ界は、ピュア界の既定路線がハイレゾでほぼ落ち着いた一方、一般オーディオ界(下界!?)ではより利便性が重視されるようになり、ワイヤレス(BluetoothスピーカーやEARIN以後の完全ワイヤレスヘッドフォンを含)・ノイズキャンセルの組み合わせが定着しつつあるような状況です。この背景には、高音質コーデックであるaptXから進化し、さらなる高音質伝送(最大48kHz/24bit、既存は16bit)が可能になったaptX HDやSONYのLDAC、モバイル環境の音ズレに対応したaptX LL(Low Latency)といった技術面の進化も無視できないように思われます。このあたり、4年前の記事の頃(AACとaptXを最新の潮流として紹介)と比べると、隔世の感があります(aptXはイギリスのAPTが開発したものですが、2010年にCSRがAPTを買収、さらに2015年にクアルコムCSRを買収するなど、こちらもなかなかダイナミックな変遷)。なお、アップルユーザーに愛されているAAC、原音再現性ではaptXに一歩及んでいなかったわけですが、この数年でこの差は大きくなったように思います。

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マニアックな話が読みたければ、2016/12のこちらの記事もオススメです。

「LDACは最大990kbps(96/48kHz)で伝送される音質優先モードのとき、電波の状態次第では再生がシビアになることもあるが、最大576kbpsのaptX HDは比較的余裕があるため再生が途切れにくい。」ってのは面白いですね。

av.watch.impress.co.jp

ワイヤレスイヤホン

今年出たワイヤレスイヤホンの中で一番印象的だったのがBE Free8、あのNuForceが完全ワイヤレスを出したのは驚きでしたね。僕がNuForce/NuPrimeファンであることを差し引いても音質はさすがで、VGPの金賞も受賞していました。aptX-LL対応です。耳が小さい人やホワイトノイズが気になる人、遮音性を高めたい人はコンプライのイヤホンチップを使ったほうがいいです。イヤホンチップの重要性は、完全ワイヤレス時代にますます高まっていくと思います。デフォルトチップも進化しそうです。

 
 

スマートスピーカー

また、2017年のトレンドとして、amazongoogle、LINEから発売しているスマートスピーカーは触れておかないといけないでしょう。音質的には正直なところカス以外の何物でも無いわけですが、名前が「スピーカー」であり、スマホやPCの音楽を手軽に聞けることから、今後ホームオーディオの中心を担っている可能性が非常に高いように思います。

 

2018年のビッグトレンドとして、amazongoogleが開発した機械学習チップ(AIと呼ぶのはちょっとね)+高級オーディオメーカーの組み合わせは数多く登場してくるように思われます(UEのMegablastとか)。今年バカ売れしたBose SoundLink Revolveなんて見た目もスマートスピーカーですしね(なお、BoseのワイヤレスはaptX未対応(というか非公表)です。ピュア屋はやっぱりBoseが嫌いw)。キーワードはインテリア性の高い無指向性、ワイヤレス、スマート化の3つになると思います。

 

ワイヤレススピーカー 

高級オーディオメーカーのワイヤレススピーカーってのは既に一大トレンドで、古いピュアファンからすると、ブランド安売り!?などと危惧していたのですが、蓋を開けてみればコーデックの進化もあってか、想像以上にしっかり作り込まれており、さすがだなぁと感心させられることが多かったです。

先鞭をつけたのはなんといってもB&Oですね。原音再現性の高さとシンプルな北欧デザインはオーディオとインテリアを両立させたい層にドハマリしました。

 
 

 しかし、何分お高い!のでnot富裕層でオーディオヲタでもないインテリア好きは買えない。そこで都内インテリアショップが目をつけたのがUEです。UEは元来定評のある音響メーカーでしたが、2008年にロジクールに買収された後は、定評のある音質に加えてコスパも優秀という、手がつけられないブランドへと進化しました。UE ROLL2はスポーティでありながら落ち着いたモダンデザイン、B&Oの半額以下にも関わらず、同程度もしくはそれ以上の高解像度を誇っており、初めてインテリアショップで聞いたときはびっくりしました(もっと音質悪くてええんやでって思いました)。まぁ、耳が超えるのはいいことですが。

 
 

 あまりにこの子達がバカ売れしたせいなのかなんなのか、老舗のCambridge Audioと色気のある音を奏でることでファンの多いDALI、さらにAUDIOPROが参入してきたのは驚きでした。 ざっくりとした感想を書いておくと、B&OとCAは中音域重視でやや軽め、UEは高解像度、DALIは音の連続性、APは好きな人にはドハマリするであろう個性的なルックスと低音域が特長です。僕の寝室ではYOYO(S)が現役で頑張ってくれています。

 
 
 
 

 明らかにB&OのA2を意識したデザイン。

 

 AUDIOPROのAddOn

 
 

 ノットピュアオーディオメーカーも負けじと参入、今年は本当にホットなワイヤレススピーカー市場でしたねぇ。イギリスのアンプメーカーMARSHALLにギターとアンプで有名なFenderピュアオーディオ屋なので普段はあまり馴染みがないメーカーでしたが、Marshallは高音重視で面白い設定、Fenderは中音域重視で見た目に反して優等生な設定でした。デザインもロック好きな人など刺さる人には刺さるんでしょうね。

 
 

 アンプ・DAC

 今年、アンプはこれといって出物がありませんでしたね。色々と試聴しましたが、結局何も買いませんでした。DACコスパ考慮すると現在はOPPOSONICA DAC一択でしょう。色々な所でコスパ最強としてレビューされているので、改めて紹介するまでもない銘器です。ミニコンポ試聴会の参加者は文字通り全員が所有していました(改めて全員ってさすがにすごいなぁ)。仮に万が一に音が気に入らなかったとしても、リファレンス機として買わざるを得ないんですよね笑。7月くらいまでは品薄状態が続いていましたが、最近は品薄も解消されたので、まだ買ってない人はすぐにポチっておきましょう。

追記:OPPOのAV事業撤退もあり、販売終了しました。(2018/3)

 

スピーカー

DALIの新しい廉価スピーカーシリーズ、SPEKTORは評価高かったですね。周りに結構買っている人が多かったです。僕自身の感想としては、確かに価格比ではいい音を鳴らしているけど、少し物足りないなーというものでした。ピュアオーディオのメインシステムとしては若干物足りなかったですが、シアター構成にすると化ける気がするので、全シリーズ入荷したら、改めて試聴してみたいなと思っています。初心者の導入にはとてもいいスピーカーだと思いました。

 モニターオーディオ(モニオ)の看板モデルのシルバーラインも刷新されましたね。100と200を聞きましたが、相変わらずモニオらしいしっかりとした高音質でした(無個性だけど僕は好きです)。200のサイズ感はなかなか素晴らしくて、トールボーイ諦めていた人にはハマるかもしれません。あと100のナチュラルオークのカラーリングはめっちゃ綺麗だったので、北欧インテリア好きには刺さると思います。
 
 

www.phileweb.com

 最後に

ずっと危惧していることではあるのだけど、ホームオーディオ環境の変化は著しいですね。ミニコンポ試聴会はいつまで続くことやら、笑。