photo credit: xenohawk via photopin cc

ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

ネットワークオーディオ・PCオーディオ・ハイレゾ音源関連の最新ニュースをお届け♪

スピーカー比較試聴(7選)

はじめに

AV REVIEW 201804/05の「特選スピーカーサウンドガイド」が面白かったです。記事のメインは25~50万円のミドルハイクラススピーカーの紹介でしたが、比較的安価なブックシェルフスピーカーも紹介されていたので、こちらでもスピーカーを加えて試聴してみました。試聴環境は、お手軽にPC出力+IDA-8、対象は20万円以下と5万円以下の2項目です。

20万円以下

KRIPTON KX-0.5

 ベストバイにあがっていたのは、やはりクリプトンのKX-0.5。当ブログが普段取り扱っているスピーカーはせいぜい10万円程度までなので、スピーカー単体で2倍近い値段となるとやや心臓に悪いですが、それだけの価値はあると断言できるスピーカーに仕上がっています。そもそもクリプトンは25~の価格帯の製品が主力なので、クリプトン的には安価なラインになるのが闇深い笑。

何度か繰り返していますが、このサイズのスピーカーは量感を稼ぐためにバスレフ型にすることが一般的で、密閉型を採用する場合は量感をやや犠牲にして解像度を重視する作りになります。その典型がELACというメーカーですが、その牙城に挑んでいるメーカーのひとつがこちらのクリプトン、このサイズでも密閉型のポリシーを貫いています。

密閉型はバスレフと比べ、中低域が精密で微細な描写が可能だが、ユニットの描写能力の高さが、密閉型なのでよくわかる。

対抗馬は当然、ELACのBS263ということになるでしょう。BS263のサイズ:H285×W192×D285mmに対し、KX0.5はH352×W194×D319mmとサイズも同じようなもので、同じ密閉型、価格も同等です。

聴き比べた感想ですが、高音域はELAC、中・低音域は同等だが、緻密さで一歩ELACが上となった程度で、ほぼ互角の戦いになりました。今回はオーディオルームでしっかりとした環境作りをしているので、ELACのポテンシャルが十分に発揮されましたが、ELACは色々と繊細なので、一般的な環境下であれば、鳴らしやすいクリプトンのほうがいい音を出す可能性も低くはないと思います。ELACと真っ向から殴りあえる好敵手の台頭は素直に喜ばしいです。

ちなみに、復活したTechnicsのSB-C700も同一価格帯、同一サイズ336× 220 × 286 mmのスピーカーです(さすがにバスレフ型ですが)。音自体は上記の二台に比べるとあと一歩という印象で、量感はそれなりでしたが、解像度は明らかに物足りないように思いました。密閉型の締まりのある低音を聞いてしまうと、どうしても粗が目立つんですよね。聞き疲れしないいい音で、音像定位はしっかりしていたので、BGMを流すにはいいですが、そのためだけにこの値段はちょっと・・・。

 

HiVi BESTBUY 2017 WINTER

【徹底研究2018冬】クリプトンの小型スピーカー「KX-0.5」を徹底的に聴く。冬のベストバイ選出が納得の肉感的な鳴り | Stereo Sound ONLINE

ASCII.jp:伝統と今が同居した、クールなサウンド「KX-0.5」を聴く (1/3)

クリプトンの密閉型スピーカー「KX-0.5」は、エントリーモデルとは思えない空間表現力だ。音楽に深く集中できるのが魅力 | Stereo Sound ONLINE

クリプトン、シリーズ最小の密閉型スピーカー「KX-0.5」 ー 18.5万円/ペア - PHILE WEB

クリプトン、ペアで20万円を切る小型密閉スピーカー「KX-0.5(Point Five)」 - AV Watch

 

jp.technics.com

5万円以下

ECLIPSE TD307MK2A

タイムドメイン理論に基づく正確無比な音像定位能力に定評のあるECLIPSE、量感は皆無で解像度も高いわけではありませんが、直感的に「いい音」と感じさせる仕様になっています(最近人気の無指向性スピーカーも同じベクトルの製品です)。ペアで5万円以下なので、価格的な安心感もあります。

 ONKYO D-112NFX

 評判の良かったD-412EXを一回り小さく小ぶりにした印象、ハイレゾ音源もしっかり正確に鳴らしており、低音も及第点と相変わらずの優等生です。没個性的ですが空きがないつくりで、コストパフォーマンスの高さが光ります。

 DALI SPEKTOR1

本誌では紹介されていませんでしたが、この価格帯では紹介させざるを得ないでしょう。去年の年末以降、圧倒的なスピードでDALIの代表モデルに登り詰めたSPEKTOR1です。ONKYO D-112NFXと聴き比べると、「スピーカーの音の個性」とは何かがよく分かるので勉強になります。伝統的なDALIの優雅さはそれなりですが、最新のキレキレサウンドを奏でてくれます。

 JVC SX-WD9VNT

ONKYOの没個性とは対象的に、ウッドコーンの個性を全面に押し出したスピーカー。ウッドコーンはどうしてもボヤッとした音に感じてしまっていましたが、SX-WD9VNTはかなり音のクリアネスが高く、想像以上に満足度が高かったです。あー、こういう音を目指していたのね、と納得できるスピーカー。低音に対する独特のアプローチも興味深く、「音の旨味」という表現にも納得です。

【レビュー】JVCの“人工熟成”ウッドコーンスピーカー「SX-WD9VNT/WD7VNT」を聴く - PHILE WEB