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ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

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2016ヘッドフォンメーカーランキング【前半戦】

 はじめに

オーディオファンの皆様こんばんは~。

ご覧になられた方も多いとは思いますが、TIME誌がオーディオ専門誌の評価と機能性を考慮したヘッドフォンメーカーのランキングを作成しております。

このブログでも色々と試聴してきているので、ちょっと振り返りながらランキングを見ていきましょう。

 

試聴環境

区別がつきにくいかもしれません(過去に試聴したレビューも混在している)が、今回新たに試聴したものについては、すべてfoobar2000(PC)+NuForceのuDAC5、音源はDSD(2.8MHz)を利用しています。過去記事にも書きましたが、最近は完全にオーヲタ教DSD派に改宗してしまいました。uDAC5はコンパクトながら解像度とパワーに優れているので、コンパクトにシステム組むなら検討すべきヘッドホンアンプの一台です。

※このブログの読者は僕がNuforce(Nuprime含)好きなの分かってると思うので、評価はある程度割り引いて下さい(笑)

 

 

ランキング

1. Shure (90)

1位はオーディオヲタにはお馴染みのShure、もっともShureっていうとヘッドフォンよりはイヤホンのほうがイメージ強いですけどね。過去記事ではSE215とSE425についてコメントしていました。Shureファンからするとこのセレクトは邪道で、SE535からが本物のShureと公言される方も少なくないなど、逸話に事欠かない熱狂的なファンがたくさんいるブランドで、1位も至極納得でございました。

 

と、メーカーの知名度の高さについては文句のつけようがないのですが、その一方でShureのヘッドフォンは個人的にこれまで敬遠気味でした。やっぱりこのメーカーはイヤホンのイメージが強すぎますからね。でも、これだけ絶賛されているのであれば!!、ということで評価の高い密閉リファレンスのSRH940を試聴してきました。低音は個人的には十分ですが人によっては物足りないモニターライクな印象、高音は突き抜けすぎずマイルドで心地よいチューニングで巧さを感じました。

残念なポイントとして、amazonの口コミを見ると耐久性に難があるみたいなことが書かれていて(僕の友達が所有している機体はご存命でしたが)、ちょっとこういうのを見ると購入には二の足を踏んでしまいますね~。音は申し分ありませんでしたが・・・。

 

2. Grado (89)

Gradoは知る人ぞ知るコアなオーディオメーカーですが、日本国内での一般知名度は低いですね。価格帯も高めなので、仕方ないかもしれません。僕もどこかのフェアで一回試聴させてもらったことがあるだけなので、改めて聞いてみたいものです。(って書いたら友達が試聴させてくれるって連絡をくれたので、今度聞いてきます(笑))

3. Klipsch (84)

3位はこれまたコアなオーディオファン御用達メーカーKlipsch(クリプシュ)ですね。Klipschといえば、なんといってもド定番の大正義イヤホンX10です。高い遮音性とシングルBAとしては最高峰の解像度、適切な低音という個人的にドンピシャの調整がされていながら、3万円しないコストパフォーマンスというバランスがあまりにも素晴らしく、さらには見た目の奇抜さと美しさも相まって、おすすめイヤホンランキングの常連さんとなっています。

 

 Klipschもあんまりヘッドフォンのイメージがなかったのですが、仕方がないので(!?)試聴してきました・・・購入してしまいました。全体的にKlipschっぽい音傾向が健在で、中高音の解像度はやり過ぎない程度(X10ほどの精密さは感じない)&低音はややパワフル(X10対比で、うるさい感じではない)という感想で、クラブ系の音楽をBGMで使う際によさ気なヘッドフォンだなと思いました(主な購入動機)。

これで2万円しないんだから、コスパはめちゃくちゃいいんじゃないでしょうか。少なくともレビューがほとんどついていないのは信じられない程度に素晴らしいコスパだと思います。どっかの坊主さん(12位!)とかビーツさん(17位!!)とかいう二流・三流メーカーにはぜひとも見習って欲しいものです。こうした人気メーカーさんは広告戦略もいいですが、純粋な音質でも豊富な資金力を活かしてちゃんと勝負してみろよ、といつも思います。今回TIME誌のように影響力のある雑誌でこのような結果が出たのは個人的に非常に喜ばしい出来事です。今回試聴した中では一番の掘り出し物となりました。(他は持っていたり知っていたりした、ということもあり)

 

 4. Pioneer (83)

来ましたよ、我らが(!?)Pioneer、オーディオ古参勢にはサン・トリ・パイの一角としても有名ながら、近年は不振が続き2015年にはついにONKYOにAV事業が譲渡されてしまいました。

Pioneerといえば個人的にはアンプやスピーカー、はたまたホームシアターシステムの印象が強く、これまたヘッドフォンのイメージがあまりないメーカーです(歴史がないとは言っていない。なんせ60年代から作ってますからね。あくまでも個人的な相対イメージの話です、悪しからず。)。と、こうして見てみると、上位を占めるのは

  • オーディオメーカーとして定評がある(音作りがしっかりしている)
  • ヘッドフォン作っているイメージがあまりない(ため、あまり価格をふっかけられない=コスパがいい)

メーカーなのかもしれません。逆に消費者サイドからすると、こういうメーカーのヘッドフォンは狙いめな気も・・・。

 Pioneerのヘッドフォンといえば何と言ってもSE-MASTER1です。「ぼくのかんがえたさいきょうのへっどふぉん」よろしく音像定位能力が抜群で、リスニングには正座が要求される一品です。価格の方もぶっ飛んでいて、普通の人が購入対象にするには精神安定剤が求められそうです。

 

 ということで現実的な選択肢であるSE-MX9をレビュります。ちなみにこのシリーズは、下位モデルであるMX7をヒガンバナというドラマで堀北真希が着用していたことから、オーディオファン以外からも注目されていたようです。

 音の特徴ですが、上位のヘッドフォンと違ってモニターライクではなく若干ドンシャリ系の味付けがなされていますが、そこまで嫌味ではないです。特に高音の味付けはしっかりとした高解像度の裏付けのもとでの綺羅びやかな味付けですので、嫌いな人は少数派だと思います。逆に、低音はもう少し抑え気味でも良いかな~と個人的には思いました。

 

 こちらがSE-MX7

 

 5. Sony (80)

 5位はSONYです、言うまでもなく日本人にはお馴染みの電機メーカー。近年はハイレゾオーディオブームを牽引し、絶好調の印象です。SONYはその独特のデザインから一定数のファンがおり、ややもすれば見た目だけで中身の伴っていない印象を受ける人もいるかもしれませんが、音作りは誠実で技術力も高いです。

このブログでもたびたびその製品は取り上げており、以前にDAP頂上決戦をやった時に使ったイヤホンもSONYのXBA-30でした(この時は色々と叩かれましたが笑)。関係ないですが、DAP頂上決戦も要望多いのでそろそろアップデートしないといけませんね~。

また、XBA-H3も以前に試聴しておりました。これは友人保有機使いましたが、現在は手元にも1台います。

さてさて、ではSONYさんのヘッドフォンレビューを。色々ありますが、最近バカ売れしてる手持ちのMDR-1A/Bにしましょうか。デザインは前機種であるMDR-1Rを引き継ぎ、いかにもソニーらしい感じです。Pioneerと同じくピュアにモニターライクではなく、ドンシャリ系の味付けがなされているのは、日本メーカーならでは。(完全にモニターライクだと派手さに欠けるので、聴き比べで負けちゃうんですよね。この辺り、PCで光沢液晶が採用されるのと同じノリな気が・・・。FOSTEXは数少ない例外です。)高音の抜け感は高価格帯のヘッドフォンに比べると若干物足りないですが、全音域についてしっかりと鳴らせていますし、わざとらしく低音を響かせているような印象もほとんど受けませんでした。

 

 6. AKG (79)

 6位はこれまた固定ファンが数多くいるオーストリアAKG(アーカーゲー)、通称あかげです。初めてヘッドフォンで有名なメーカーがランクインしたな、というのが正直なところ。7位のSennheiserと共にもう少し上位でも(上位3位にランクインしても)おかしくないのかな?と思いました。全体的な特徴としてインピーダンスが高い(分からなければ、過去記事を参照のこと。)機体が多いですから、何も考えずに購入してiPhoneに直挿しすると、スカスカした音しか鳴らずに絶望感を味わうことになります(もしかしてそういう敷居の高さがこんな順位になった一つの理由なのかしら)。 過去記事でも書きましたが、インピーダンスの機体を鳴らすには高出力のアンプが必須です。

このメーカーは音質の高さもさることながら、デザイン性の高さでも有名で、けいおん秋山澪が着用していたK701

http://blog-imgs-41.fc2.com/y/u/n/yunakiti/090501-0216580792-960x720.jpg

 であるとか、

 
 

 その正当な後継機にして著名音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズWe are the worldなど)とコラボしたQ701、その他にも挙げだすときりがない程たくさんのラインナップが存在します。PerfumeCapsuleでお馴染みの中田ヤスタカさんはK701の愛用者としても有名です(現在のラインはK712PRO)。

 

 

 

 

この点は過去記事でも取り上げています(ここではネタ枠として)。

また、最近はイヤホンにも力を入れており、廉価なラインナップではコスパの高さで驚かせてくれました。

networkaudiolab.hatenablog.com

 今回は、AKGながら10000円を切る価格とファッション性の高い見た目でバカ売れしているY50のレビューを追加しておきましょう。少し前にBluetooth対応のバージョンも出ています。細部はさすがに高級機に比べると手を抜くべきところでちゃんと抜いているな、という印象ですが質感は高く、インピーダンスは32Ωと取り回しの良さも一般人(ヲタとの対比で)にとっては魅力的だと思います。

 

 音質は高級ラインとは異なりドンシャリ系の味付け強め、狙ってる顧客層の違いを如実に感じさせられます。低音は割りと控えめでお上品な重低音(嫌いじゃない)、中音は綺麗だけど少しスカスカ感が気になる。Philewebでは絶賛されていた音像定位も価格それなりといった感じで、総評するとお値段相応かな(コスパ普通)という感想でした。もっともインパクトのあるデザインとAKGという毛色の良さを考慮すると、同価格帯で買って損はないのかな、という意見です。逆に考えるとAKGは市場調査しっかりして、戦略的に製品出していることがよく分かります(笑)

ただ 正直なところ、この価格帯でAKGのヘッドフォンが欲しいなら定番モニターのK240MK2(と廉価でいいのでアンプ)を買いましょう。AKGのしっかりした音像定位能力を体感できるAKGらしいヘッドフォンです。

 
 

7. Sennheiser (78)

7位は6位のAKGと同じくヘッドフォンのイメージが強いドイツの名門Sennheiserゼンハイザー)です。AKGと同じく比較的高価でインピーダンスも高めの製品が大半を占めるため、少し残念な順位になってしまった可能性があります(AKGSennheiserには同情的(笑))。世界中にファンが多く、歌姫ビヨンセなどがよく愛用者として紹介されます。

 このブログでは個人的にデザイン一押しのMomentumを複数回取り上げているなど、デザイン性の高さは折り紙つき 

さらに音質の高さにも定評があり、HD598(プリン)は2万円台で定番中の定番、ヘッドフォンヲタで持ってない奴はモグリ扱いされる存在です。

 
 

 またSE-MASTER1程ではないにしても、一般人からすると常軌を逸した価格のフラッグシップ機HD800(S)も、実はハイエンド市場ではコスパに優れている銘機として知られています。

 

さて、ここでは比較的レビューの少ないURBANITEについてレビューを書いておきましょう。この機体は2014年終盤に発売されたモデルで

  • インピーダンス低めなので直挿しOK
  • 折りたたみ可能
  • カジュアルなデザイン
  • 比較的低価格

 など、AKGのY50と同じく普及帯向けの戦略商品です。URBANITE無印がオンイヤータイプ、XLがアラウンドイヤータイプです。

 

 一般的にアラウンドイヤータイプのほうが音質はいいのですが、この製品の位置づけ的にやはり試聴すべきはオンイヤーだろう、ということで無印版を試聴しました。感想としては、とにかくうまくまとめたなーという感じ。特筆すべき低音の量感や高音のヌケ感、解像度の高さや音像定位能力があるかと言われると疑問符がともりますが、一方でどの音程も過不足なくしっかり鳴らせていて不快さはありません(ややシャリ感が気になるが)。オーディオヲタとしてはまったく購入意欲をそそられませんが(解像度の低い駄目フラット)、ポータブルでこのデザインながら、中身もゴミじゃないってことは売れるってことですね(白目)。

結局のところ、「追加課金してプリンちゃん買っとけや」というおざなりな結論にはなるのですが、確かなチューニング能力としたたかさを兼ね備えたメーカーさんなのでした。(こう考えるとAKGSennheiserも戦略的な製品出したせいでこんなランキングにされている可能性が無きにしも非ず・・・笑)

後半はこちら

8. JVC (75)

9. Audio-Technica (74)

10. Panasonic (74)

11. Apple (74)

12. Bose (73)

13. Philips (72)

14. Creative (68)

15. Koss (68)

16. Skullcandy (62)

17. Beats by Dre (58)

18. Plantronics (57)

http://business.newsln.jp/news/201607020635390000.html