photo credit: xenohawk via photopin cc

ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

ネットワークオーディオ・PCオーディオ・ハイレゾ音源関連の最新ニュースをお届け♪

お年玉で買うべきミニコンポ2022

はじめに

皆様こんにちは、毎年恒例「お年玉で買うべきミニコンポ」です。今年はコロナの感染が収まったタイミングで試聴会を開催しました。数年前から危惧していた「新製品出ないよ」問題は致命的で、今年も新規試聴は片手で数えるほどでした。

f:id:yamanatan:20220102013346j:plain

Free Stock photos by Vecteezy

目次

過去記事

過去記事も参考にしてください。

networkaudiolab.hatenablog.com

networkaudiolab.hatenablog.com

 

networkaudiolab.hatenablog.com

今年の新製品

生活関連用品の企画・開発・販売を行う株式会社ドウシシャ)が、自社ブランド「ORION」ブランド音響製品の第一弾として、独自の抄紙方法で開発した、和紙素材2重抄紙製法(W-RPM)スピーカーを搭載したセパレートタイプのSMC-160BTを発売しました。CDやUSBを再生できるのはもちろんのこと、Bluetoothスピーカーにもなるのに実勢価格が1万円未満なので、廉価のミニコンポ(CDシステム)を探している層にはいいでしょう。低音の量感は悪くありませんが、音の明瞭さ(クリアネス)や解像度はお値段相応といったところで、お世辞にもよくありません。手軽にCDを再生したいという人以外は、素直にスピーカーやBluetoothスピーカーを検討したほうがよいです。また、手軽にCDを再生したい層は、やや予算が高くなりますが、PanasonicのSC-PM250との比較検討を強くおすすめします。

パナソニックは、テクニクスブランドの高音質化技術を採用した“Tuned by Technics”仕様のCDステレオシステム「SC-PMX900」を7月30日より発売しました。この企画で毎回ベストバイとなっている銘器の系譜であり、信頼と実績のテクニクスによるチューニングとあって期待が高まります。ひと世代前のPMX150と比較すると、音精度が向上したことにより、音の粒立ちや立体感といったものがより強く感じられるようになった、という意見がありました。実勢価格も6万円前後でコスパも十分です。ただ、これはおそらく今年限定になりますが、よりコスパでPMX900に勝る製品があります。はい、言うまでもないですが、前機種であるPMX150です。去年までPMX900と同じ実勢価格6万円前後だった製品が4万円前後になっており、在庫限りのバーゲンセールです。はっきり言って2万円の価格差を正当化するほどの音質の差はありません。
古いものは音質に劣るんじゃないか?と思う人がいるかもしれませんが、オーディオ製品はそれほど進化の早い製品群ではありません。たとえば、PMX900/PMX150のネットワーク機能などを外した下位機種にPMX90という製品があります。もしも1年で音質が劣るのであれば、この製品の実勢価格もPMX150と同様に3割程度下落するはずですが、実際は去年と変わらず実勢価格3万円前後です。
例年であればネットワーク機能を欲しいかどうかでPMX150とPMX90のどちらかを選んでくださいと言うところですが、4万円前後であればPMX150一択です。ただ、この記事が出ると価格が一時的に高騰することが過去にもありましたので、購入する際は価格履歴をしっかりと確認してからにしてください。

ベストバイ

Panasonic PMX150, 900/90

PMX900のところで説明しましたが、新製品登場による在庫処分により、PMX150がバーゲンセール中です。圧倒的なコスパにより、PMX150をベストバイとしました。ただ、これは一時的な異常値のようなものなので、バーゲンが終わった後は、PMX900/90がベストバイになります。

DENON M41

昨年は在庫が切れていたのでベストバイに入れませんでしたが、今年は復活していました。ただ、2年前に実勢価格3万円前後で圧倒的だったコスパは実勢価格5万円で急激に悪化しています。PMX150は異常値なので無視するとして、PMX900/90と比較するとコスパに劣るという印象です。古いこともあって機能性はあまり期待できないものの、DENONのHIFI譲りの高音質は価格対比でやはり素晴らしく、やや解像度重視の現代的音作りを志向するPanasonicの音が好きになれない人には、有力な代替案になります。

自作

例年、自作システムのメインに据えてきたMarantzのM-CR612ですが、コロナによる供給制約の影響からか、値段が下がるどころか高騰しています(実勢価格5万円から6万円~8万円に高騰)。ミニコンポの記事では予算10万円程度までを想定してスピーカーを選んでいるのですが、M-CR612が8万円想定だとまともなスピーカーを買えず、自作する意味がありません。そこで、価格がやや落ち着いた前提での推奨構成をいくつか挙げておきます。DALIのOBERONは、予算オーバーという理由から、今年はベストバイから除外しました。

M-CR612+3010i/3020i

去年紹介した直後に値上げされてしまったQ Acousticsの3010i/3020iですが、まだまだ良コスパ健在です。解像度や明瞭さ、音像定位など基本的なパラメータの数値が素晴らしく、科学的に音質を追求する姿勢を強く感じます。

youtu.be

M-CR612+SPEKTOR1/2

このブログでは定番のDALIのSPEKTOR1/2も実勢価格が値上がりしています。量感は限定的ですが、解像度コスパの高さは随一、OBERONほどではないですが、DALI特有の艶やかさも感じられます。

www.youtube.com

www.youtube.com

M-CR612+LX-2

他のスピーカーの価格高騰に伴い、MissionのLX-2が2019年以来2度めのベストバイ。やはり解像度は他のスピーカーに比べて劣るものの、世の中の大半の人が好きな音は原音に忠実なモニターライクな音ではなく、活き活きと躍動感ある音なわけで、音楽を楽しみたい層にはドンハマりのスピーカー、一度は試聴するべきだと思います。

LX-2のようなある種のエンタメ的なスピーカー(失礼)がベストバイに選出されるのがこの企画のいいところで(私は解像度重視なので、あまり高い点をつけない)、試聴会を開く最大のメリットを実感する結果になりました。在宅ワーク中にBGMとして音楽を流す場合、解像度よりも抑揚を重視したいのでLX-2を選びました、というコメントが印象的でした。

youtu.be

さいごに

ドウシシャのオーディオ参入は久しぶりの明るいニュースでしょうか。パナソニックテクニクスブランドを生かして、引き続き覇権を握り続けそうです。自作部門では、とにもかくにも値上げラッシュ、中長期的な円安トレンドを考慮すると、欲しいものは早め早めに買ったほうがよいと再認識させられました。こういう気付きが得られるだけでも、1年に1回の定点観測に価値があるように思いますね。

ニコンポ業界(?)の縮小により、今年からはアクティブスピーカーも合わせてレビューすることも考えましたが、それは別に他の記事でもできることなので、お年玉で買うべきシリーズはミニコンポと心中する路線を維持することになりました(来年はどうなるか分かりませんが)。

協力いただいた皆様、また記事を読んでいただいたすべての皆様に今年もお礼を申し上げます。

それでは皆様、よいお年を!

こちらもどうぞ

オーディオ製品を探しているけど、必ずしもミニコンポじゃなくてもいいよ!って人は、以下の記事が参考になるかもしれません。

networkaudiolab.hatenablog.com

networkaudiolab.hatenablog.com

networkaudiolab.hatenablog.com

 

networkaudiolab.hatenablog.com