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ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

ネットワークオーディオ・PCオーディオ・ハイレゾ音源関連の最新ニュースをお届け♪

お年玉で買うべきミニコンポ2017

はじめに

12月中旬、都内某所、知り合いのオーヲタから「今年も書くの?」のLINEが入る。今年は無理だよなーと思いながらスケジュールを確認すると、なんと奇跡的に17日だけスケジュール空いてる!急いで試聴環境をいつものお店に揃えてもらい、スケジュール調整、めでたく8人の勇士が集まり、今年も無事に開催できましたミニコンポ試聴会。

一昨年、去年と続けてきたこの企画ですが、ハイレゾ対応&CDレス化が進み、独立なオーディオ機器としての性格が薄れ、PCに外付けするオーディオ機器(外付けDAC+(プリメインアンプ)+パッシブスピーカー)として生き残っていこうという製品群になりつつあります。いちいちPCを起動せずに、PCレスで気軽にいい音が聞ける点を突き詰めないと死に絶える製品群だよ、と過去記事に書いたわけですが、まさしく死に絶えつつある気が・・・。 11月に出たJVCケンウッドの製品発表でも

同社は、ハイレゾ音源やストリーミングサービスの普及などホームオーディオを取り巻く環境の変化を鑑み

ってリリースが出ていますし、やはりこの流れは止められなさそうです。そういう意味ではいつまで続くか分からないこの企画ですが、毎年恒例『お年玉で買うべきミニコンポ2017』、今年も始めます。

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photo credit: World Economic Forum Taking Talent to Market via photopin (license)

2018年版が公開されました(この記事は2017年版の古い記事です)。

networkaudiolab.hatenablog.com

networkaudiolab.hatenablog.com

試聴環境

音源

  • MP3(192kbps)とCD(16bit/44.1kHz)に加え、ハイレゾ音源に対応する機器が増えましたのでFLAC(24bit/96kHz,192kHz)を可能な限り使いました。DSDは見送りました。

ジャンル

下記記事を参照して下さい。

試聴機器

結論ですが、去年と同じくSC-PMX70買っとけ、でいいと思います。比較した他の製品の4割~6割程度の価格で購入できるにも関わらず、価格と音質を考慮したときのコストパフォーマンスが圧倒的です。ネットワーク機能が欲しいなら上位モデルであるPMX100と他の製品を比較した方がいいと思いますが、その場合はミニコンポ以外も考慮にいれるべきでしょう。

  1. SC-PMX70(PANASONIC
  2. X-NFR7TX(ONKYO
  3. D-M40(DENON
  4. X-HM76(Pioneer)
  5. HR-X101(TEAC

試聴結果

SC-PMX70

去年大絶賛したPMX70です。テクニクスを復活させたパナソニックの勢いは本物で、2016年4月に出したOTTAVA SC-C500の出来も抜群でした。

細かいレビューは去年の記事を見てもらうとして、当面はミニコンポ界のベンチマークとして活躍していってくれることだろうと思います。ハイレゾにもFLAC(24bit/32/44.1/48/88.2/96/176.4/192KHz)192kHzまでしっかりと対応しています。欲を言えばハイレゾ音源を使った時、若干の解像度の低さが気になりますので、次世代ではスピーカーを改善してほしいです。(デザインも少し安っぽいです。)

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:4
  • 解像度:3
  • 合計:15
 

 X-NFR7TX

 毎年ONKYOの悪口を書いているので、社員に会うたびに嫌味を言われます(笑)何だかんだ言って毎年コンスタントに新製品を出すのは偉いですね。スピーカーがちょっと小さくちょっと軽くなったそうで、体感的には誤差レベルですが企業努力を感じます。ONKYOのスピーカーは無個性だけどいい音で、ここだけは他メーカーに負けていません。あと、ハイレゾ再生に対応(FLAC(96kHz/24bit))したのが大きな変化点ですが、96kHzまでとちょっとイマイチ感。(ボタンが多くて使いやすいかもしれませんが、デザインの観点からはひどいと言わざるを得ません)

  • 低音:3
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:4
  • 合計:14
 
 

 D-M40

 DENONのD-M40、ONKYOのFRシリーズと同じく歴史の長いシリーズです。2015年発売ですが、去年試聴する時間がなかったので今年のリストに入れました。アンプの出力は30W+30W、スピーカーの再生周波数域は45 Hz ~ 40 kHz、FLACは48kHzまでと若干イマドキ感がない構成。音質は低音~中音域が抜群によく、オーディオはやはりスペックだけでは語れないなと改めて実感(試聴するたびに思うことですけど)。高音のヌケ感や解像度は適度なレベルでそれなりという感じ。WHAT HI*FI2016では最高評価を獲得しています。

Best Systems 2016 | What Hi-Fi? Awards 2016

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:3
  • 合計:14
 

 X-HM76

 今回唯一のネットワーク機能付き、PioneerのX-HM76です。アンプは50W+50W、スピーカーの再生周波数域は50 Hz ~ 40 kHz、ハイレゾはFLAC192kHzまでしっかりと対応しています。32bitDACチップを積んでおり、DSDにも対応しているなど、お値段的にもスペック的にもミニコンポというよりピュアオーディオな製品です。分解能は高いですが(S-HM86-LRで検証)、セットのスピーカーの性能がしょぼいせいで、出てくる音は物足りないです。

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:4
  • 解像度:3(4)
  • 合計:15(16)

追記:アンプとスピーカーのどっちにお金をかけるべき?という質問に対し、オーヲタの100人中100人がスピーカーと回答しているのをよく見かけます。これは初心者にとってはなかなか実感が伴いにくい点だと思いますが、Pioneerの機種を使うと簡単に実感することが出来ます。まずX-HM76を聞いて下さい。次にXC-HM86+S-HM86-LRを聞きます。解像度や音場再現能力が1ランク違うことが分かると思います。最後に、X-HM76のレシーバ-+S-HM86-LRを聞いて下さい。これでアンプとスピーカーどちらが決定的に重要なのか絶対に分かると思います。(そして後者の音がどうしても欲しくなった時、そのときこそピュアオーディオの世界(沼)に飛び込む時です(笑))

 
 
 
 

 HR-X101

Pioneerと同じくミニコンポというよりは準ピュアオーディオ的な位置づけ、TEACのHR-X101です。アンプは26W+26W、スピーカーの再生周波数域は60~40kHz、ハイレゾはFLAC192kHzまでしっかりと対応していて、DACチップはBurrBrownのPCM1795です。バランス良くまとまっていますが、ライバルと比較すると今ひとつ、価格を考えると今ふたつといった感想でした。USB DACとして使えるという付加価値をどう捉えるかにもよりますが・・・。

  • 低音:3
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:3
  • 合計:13
 
 

 最後に 

 差別化を考えると、今後のミニコンポはPCの外付けオーディオと化すか準ピュアオーディオ化するかの二択になるのかもしれないな、とPioneerやTEACを聞いていて思いました。ぶっちゃけた話、一昔前のミニコンポ程度の音質は現在のCDラジカセで出せるくらい技術進歩が進んでしまったので、場所をとるミニコンポの存在価値が問われている時代なんでしょうね。来年もやるかは不明(製品群がどうなるか不明)ですが、引き続きよろしくお願いします。

過去記事はこちらをどうぞ

試聴音源のジャンルに関して

はじめに

上の記事で、以前に予告していた試聴音源の話を始めたのですが。ダンスミュージックの項目を書いていたら長くなりすぎた(日頃の鬱憤を晴らしていたら止まらなくなった)ので、スピンアウトさせました。

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photo credit: Leonid Yaitskiy Hong Kong via photopin (license)

試聴音源のジャンル

  • 中音域を確認するためにロックの音源を使用しています(ポップスを使うこともあります。)。ノーベル文学賞受賞に敬意を表して、今回はボブ・ディランを聴きました(笑)
  • 低音域を確認するためにダンスミュージックを使用しています。ラップやヒップホップ、レゲェサウンドを使用される方も多いですが、僕があまり好きではないのでほとんど使用しません。特にドラムンベース・ドリルンベースの音源を利用することが多いです。(後述参照) 
  • 低音域~中音域の確認、連続性を確認するためにジャズを使用しています。特にアシッドジャズの音源を利用することが多いです(Brand New Heaviesから入信しました)。
  • 高音域を確認するためにダンスミュージックを使用しています。最近はリキッドファンクやフューチャーベースを使うことが多いです(後述参照)。
  • 低音域~高音域の確認、連続性を確認するために交響曲(クラシック)を使用しています。オペラ音源は試聴メンバーから要望がある時しか使いません(必ず使う人もいます)。試聴曲の選定ですが、好きな曲聞けばいいと思います。僕らがよく使う曲:交響曲第1番・第5番(マーラー)、皇帝円舞曲シュトラウス)、交響曲第3・7番(ベートーヴェン)、交響曲第5番(ショスタコーヴィチ);手に入れやすい有名どころの曲だけリストアップしました。

どうぞ、ご参考になさって下さい。以下はおまけです。

突如始まるダンスミュージックの話

ダンスミュージックが好きって言うと、最近は「あー、EDMいいよね!」とステキな反応をされる(#^ω^)ので、Wikipediaを使って簡単に歴史を振り返りましょう。

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photo credit: marfis75 disco feeling via photopin (license)

2016ヘッドフォンメーカーランキング【後半戦】

はじめに

前回から始まったTIME誌のヘッドフォンメーカーランキングについて、酒を飲みながらグダグダ喋っていく回、今回は後半戦です。トップ3にShure、Grado、Klipsch、4位以降にPioneer、SonyAKGSennheiserというランキングになっておりまして、Pioneerさんが大健闘かな、という感想です。それでは8位以下も見ていきましょう。

8. JVC (75)

ここで来ましたJVC、なおここから日本メーカーが続くというあたり、やっぱりものづくり大国やで!(逆に言えば、まったく高い音質を価格転嫁出来ていない当たり、ブランディングの圧倒的な下手さを痛感させられますね。特にB◯SEとかBe◯tsとか・・・)

JVCっていうとウッドコーンスピーカーのイメージが強すぎるわけですが、ヘッドフォンもちゃんと作っています。音質・ラインナップもしっかりしてるのですが、如何せん知名度は絶望的で、今価格.comで調べたらまともに100位以内に入ってる機種は一つもありませんでした(泣)

これはSONYを除く全てのメーカーについて言えることですが、いいもの作っていれば消費者は分かってくれるはずという傲慢なエンジニアリング魂が未だに蔓延っていることが一因なのかと(特に彼ら的に嫌なこと(デザイン等)を指摘した時の態度に露骨に感じます)。 例えばHA-SS01を取り上げてみましょう。VGP2016を受賞するなど音質には定評があり、今回の試聴でも精緻で正確な音再現は抜群でした。しかし、分かりやすい高級感は見た目から全く感じないし、分かりやすいストーリー性もないこのヘッドフォンに4万円以上一般人が出せるかと言われると、間違いなく無理です。本当に音がわかってくれるヒトだけが買えばいいってのは格好いいとは思いますがただの自己満足では・・・。もっともっと営業努力が必要だと思います。

 

 さて、このボロクソ書いたJVCで唯一売れているのがポタアンのSU-AX7です。2016年7月の今となっては一世代前感のスペックだなーと感じる部分もありますが、超高音質DACであるAK4390を積んでおり、日本メーカーのポタアンでは未だに最高クラスだと思います。VGPも3年連続で受賞しており、これぞJVCとケンウッドの統合効果!と当時は思いました。なんですけど・・・なんで後継機出さないんですか?

ぶっちゃけ14年当時は先進的でしたが、今となっては重い・充電持たない・DSD再生できない・機能性ダメで音質だけが取り柄の機種に成り下がりました。ハイレゾ以後のオーディオ業界の速度は、これまで一部の富裕層のおっさん相手にのんびり商売していた時とは根本的に異なります。最新の技術を持った新興メーカーがガンガン煽ってくる時代です、もっと機敏に対応して欲しいです。

 

日本メーカー応援したいですけど、同価格帯であるOPPOのHA2とどっち買ったほうがいいって聞かれたら、HA2薦めちゃいますよ。生き残れるかどうかの瀬戸際であることをもっとちゃんと意識して、頑張ってほしいなというメッセージでJVCの項目を締めておきます。 

 

追記(2016/12):7月にAX7の悪口書いたら、11月に上位後継機のAX-01が発売されました(^○^)。まだ価格が熟れて(こなれて)いませんが、DACにはESS製ES9018K2Mを採用、384kHz/32bit・PCM&11.2MHz・DSDまで対応し、隙がなくなりました。後は価格競争力ですね。

 
 

 

9. Audio-Technica (74)

言わずと知れた独立音響メーカーの雄、オーテクです。近年は広告にも力を入れており、定評のあるデザイン性、音質の高さと相まって好感が持てます。今回はATH-MSR7を試聴してみましょう。 SONYのMDR-1Aのライバル機種、JVCのHA-SS01がこの価格なら(・・・ってまたディス) と思わずにはいられない、オーディオファン向け激戦区価格帯。MDR-1Aと比較すると、より分解能が高くモニターライクな音です。聴き比べるとドンシャリ感がより弱いので少し地味に聞こえるかもしれませんが、静かなところでちゃんと聴き比べると、ATH-MSR7のほうがマジメな音作りをしている印象を受けます。高音の抜け感は圧倒的にこちらだと思います。

 

10. Panasonic (74)

なんと10位にパナソニックがランクイン、これは本当に意外です。パナソニックのヘッドフォンって、インテリアショップの依頼で聞いて以来、一度も聞いたことないですわ。価格.comでランキング見てみるもあまり売れているわけではなく、全然わからない。

 

ということでとりあえずフラッグシップのRP-HD10を試聴・・・購入しました(2度目)。コンポもそうだけど、最近のPanasonicのオーディオすごいですね。もっと真面目にデザイン頑張ったら世界狙えるんじゃないだろうか・・・。ドンシャリきつめって書いているレビューありましたが、これは一切味付けしてないモニター志向ヘッドフォンなので間違いです。逆にモニター志向でチューニング疑われるレベルで高低音がしっかりしているってことは、圧倒的にレベルが高い証拠です。デザインのモッサリ感が返す返すも残念ですが、この音質で2万円を切るだなんて、超コストパフォーマンスの機種と言わざるを得ません。

 

11. Apple (74)

なんとなく気づいてはいたが、このランキングのヘッドフォンってイヤホン含むんだね、Appleのランクインで完全に理解しました。しかし、それだったらこれまでの考察全部的外れじゃんとか思ったのは後の祭り。どうもamazonには模倣品が出回っているらしいので、公式課金しました。BA2ドライバーで1万円ってのは少しお高め、聞いてみた感想ですが、3000円以下で音質に強いこだわりがないアップル信者なら買いだと思います☆(信者が怖いので適当(笑))BAとは何?って人はコチラの記事をどうぞ。

12. Bose (73)

とうとう来ましたBoseさん、前半からディスりまくっていますが、僕はこのメーカーが嫌いというわけではありません。ピュアオーディオファンとしては嫌いだけど、映画ファンとしては好きです。前に書きましたが、音楽マニアと映画マニアでは求める音が違います。

 以前の記事でも書きましたが、ピュアオーディオに求めるのは原音再現です。この観点から、チューニングしまくりのBoseはあり得ません。仮にどれだけBoseのヘッドフォンから心地よい音が流れてきたとしても、ノイズをカットしてくれていたとしても、やはりそれは造られた音であって、原音ではないのです。そのため、一般人には非常に支持されているBoseですがオーディオヲタクからは敬遠されてしまいますし、音質の指標では不利になるのです。

13位以降

13位以降のメーカーについては多少の差こそあれ、ドンシャリ感をチューニングで強調し、デザイン性を高め、原音再現能力意外で勝負しているメーカーがほとんどです(ラインナップの中にはそういったモニターヘッドフォンがあるメーカーもありますが)。そういった戦略を否定するわけではないですし、原音再現していればいい音に聞こえるかどうかはそもそも人によりますが、個人的には原音にこだわったメーカーに報われて欲しいなーというのが正直なところです。逆にそのように真摯に音にこだわっているメーカーが、イメージ戦略だけで勝ち上がったメーカーに駆逐され、市場から撤退されると困ってしまいます。日本メーカーは伝統的にここが弱いので、不利にならない程度には頑張って、戦って欲しいと思います。

13. Philips (72)

14. Creative (68)

15. Koss (68)

16. Skullcandy (62)

17. Beats by Dre (58)

18. Plantronics (57)

まとめ

オーディオヲタって大して音に違いもないものに大金かけてアホだなーとか巷ではよく言われますが、今回のランキングではヲタが支持するオーディオメーカーが上位を独占するという面目躍如な素晴らしい結果に。個人的にも色々と発見があっていい企画となりました。

 今回の試聴ではKlipschのR6とPanasonicのHD10を新しく購入したわけですが、どっちがよりコスパよくてオススメかというと断然HD10です(R6は資料的要素も考慮して購入したという経緯もあり)。2万円前後でMDR-1AやATH-MSR7を検討している人には是非HD10も検討して欲しいように思いました(デザインを考慮すると買う気にはなりませんが)。オーテク復活以来のパナソニックは本当に頑張っていて、ステマ臭がするのであまりプッシュしすぎたくはないんですけど、どうしても取り上げざるを得ない。他のメーカーも負けずにがんばってください!Gradoは次回までの宿題ということで、ではまたまた~♪

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photo credit: Adeus, amigos via photopin (license)

2016ヘッドフォンメーカーランキング【前半戦】

 はじめに

オーディオファンの皆様こんばんは~。

ご覧になられた方も多いとは思いますが、TIME誌がオーディオ専門誌の評価と機能性を考慮したヘッドフォンメーカーのランキングを作成しております。

このブログでも色々と試聴してきているので、ちょっと振り返りながらランキングを見ていきましょう。

 

試聴環境

区別がつきにくいかもしれません(過去に試聴したレビューも混在している)が、今回新たに試聴したものについては、すべてfoobar2000(PC)+NuForceのuDAC5、音源はDSD(2.8MHz)を利用しています。過去記事にも書きましたが、最近は完全にオーヲタ教DSD派に改宗してしまいました。uDAC5はコンパクトながら解像度とパワーに優れているので、コンパクトにシステム組むなら検討すべきヘッドホンアンプの一台です。

※このブログの読者は僕がNuforce(Nuprime含)好きなの分かってると思うので、評価はある程度割り引いて下さい(笑)

 

 

ランキング

1. Shure (90)

1位はオーディオヲタにはお馴染みのShure、もっともShureっていうとヘッドフォンよりはイヤホンのほうがイメージ強いですけどね。過去記事ではSE215とSE425についてコメントしていました。Shureファンからするとこのセレクトは邪道で、SE535からが本物のShureと公言される方も少なくないなど、逸話に事欠かない熱狂的なファンがたくさんいるブランドで、1位も至極納得でございました。

 

と、メーカーの知名度の高さについては文句のつけようがないのですが、その一方でShureのヘッドフォンは個人的にこれまで敬遠気味でした。やっぱりこのメーカーはイヤホンのイメージが強すぎますからね。でも、これだけ絶賛されているのであれば!!、ということで評価の高い密閉リファレンスのSRH940を試聴してきました。低音は個人的には十分ですが人によっては物足りないモニターライクな印象、高音は突き抜けすぎずマイルドで心地よいチューニングで巧さを感じました。

残念なポイントとして、amazonの口コミを見ると耐久性に難があるみたいなことが書かれていて(僕の友達が所有している機体はご存命でしたが)、ちょっとこういうのを見ると購入には二の足を踏んでしまいますね~。音は申し分ありませんでしたが・・・。

 

2. Grado (89)

Gradoは知る人ぞ知るコアなオーディオメーカーですが、日本国内での一般知名度は低いですね。価格帯も高めなので、仕方ないかもしれません。僕もどこかのフェアで一回試聴させてもらったことがあるだけなので、改めて聞いてみたいものです。(って書いたら友達が試聴させてくれるって連絡をくれたので、今度聞いてきます(笑))

3. Klipsch (84)

3位はこれまたコアなオーディオファン御用達メーカーKlipsch(クリプシュ)ですね。Klipschといえば、なんといってもド定番の大正義イヤホンX10です。高い遮音性とシングルBAとしては最高峰の解像度、適切な低音という個人的にドンピシャの調整がされていながら、3万円しないコストパフォーマンスというバランスがあまりにも素晴らしく、さらには見た目の奇抜さと美しさも相まって、おすすめイヤホンランキングの常連さんとなっています。

 

 Klipschもあんまりヘッドフォンのイメージがなかったのですが、仕方がないので(!?)試聴してきました・・・購入してしまいました。全体的にKlipschっぽい音傾向が健在で、中高音の解像度はやり過ぎない程度(X10ほどの精密さは感じない)&低音はややパワフル(X10対比で、うるさい感じではない)という感想で、クラブ系の音楽をBGMで使う際によさ気なヘッドフォンだなと思いました(主な購入動機)。

これで2万円しないんだから、コスパはめちゃくちゃいいんじゃないでしょうか。少なくともレビューがほとんどついていないのは信じられない程度に素晴らしいコスパだと思います。どっかの坊主さん(12位!)とかビーツさん(17位!!)とかいう二流・三流メーカーにはぜひとも見習って欲しいものです。こうした人気メーカーさんは広告戦略もいいですが、純粋な音質でも豊富な資金力を活かしてちゃんと勝負してみろよ、といつも思います。今回TIME誌のように影響力のある雑誌でこのような結果が出たのは個人的に非常に喜ばしい出来事です。今回試聴した中では一番の掘り出し物となりました。(他は持っていたり知っていたりした、ということもあり)

 

 4. Pioneer (83)

来ましたよ、我らが(!?)Pioneer、オーディオ古参勢にはサン・トリ・パイの一角としても有名ながら、近年は不振が続き2015年にはついにONKYOにAV事業が譲渡されてしまいました。

Pioneerといえば個人的にはアンプやスピーカー、はたまたホームシアターシステムの印象が強く、これまたヘッドフォンのイメージがあまりないメーカーです(歴史がないとは言っていない。なんせ60年代から作ってますからね。あくまでも個人的な相対イメージの話です、悪しからず。)。と、こうして見てみると、上位を占めるのは

  • オーディオメーカーとして定評がある(音作りがしっかりしている)
  • ヘッドフォン作っているイメージがあまりない(ため、あまり価格をふっかけられない=コスパがいい)

メーカーなのかもしれません。逆に消費者サイドからすると、こういうメーカーのヘッドフォンは狙いめな気も・・・。

 Pioneerのヘッドフォンといえば何と言ってもSE-MASTER1です。「ぼくのかんがえたさいきょうのへっどふぉん」よろしく音像定位能力が抜群で、リスニングには正座が要求される一品です。価格の方もぶっ飛んでいて、普通の人が購入対象にするには精神安定剤が求められそうです。

 

 ということで現実的な選択肢であるSE-MX9をレビュります。ちなみにこのシリーズは、下位モデルであるMX7をヒガンバナというドラマで堀北真希が着用していたことから、オーディオファン以外からも注目されていたようです。

 音の特徴ですが、上位のヘッドフォンと違ってモニターライクではなく若干ドンシャリ系の味付けがなされていますが、そこまで嫌味ではないです。特に高音の味付けはしっかりとした高解像度の裏付けのもとでの綺羅びやかな味付けですので、嫌いな人は少数派だと思います。逆に、低音はもう少し抑え気味でも良いかな~と個人的には思いました。

 

 こちらがSE-MX7

 

 5. Sony (80)

 5位はSONYです、言うまでもなく日本人にはお馴染みの電機メーカー。近年はハイレゾオーディオブームを牽引し、絶好調の印象です。SONYはその独特のデザインから一定数のファンがおり、ややもすれば見た目だけで中身の伴っていない印象を受ける人もいるかもしれませんが、音作りは誠実で技術力も高いです。

このブログでもたびたびその製品は取り上げており、以前にDAP頂上決戦をやった時に使ったイヤホンもSONYのXBA-30でした(この時は色々と叩かれましたが笑)。関係ないですが、DAP頂上決戦も要望多いのでそろそろアップデートしないといけませんね~。

また、XBA-H3も以前に試聴しておりました。これは友人保有機使いましたが、現在は手元にも1台います。

さてさて、ではSONYさんのヘッドフォンレビューを。色々ありますが、最近バカ売れしてる手持ちのMDR-1A/Bにしましょうか。デザインは前機種であるMDR-1Rを引き継ぎ、いかにもソニーらしい感じです。Pioneerと同じくピュアにモニターライクではなく、ドンシャリ系の味付けがなされているのは、日本メーカーならでは。(完全にモニターライクだと派手さに欠けるので、聴き比べで負けちゃうんですよね。この辺り、PCで光沢液晶が採用されるのと同じノリな気が・・・。FOSTEXは数少ない例外です。)高音の抜け感は高価格帯のヘッドフォンに比べると若干物足りないですが、全音域についてしっかりと鳴らせていますし、わざとらしく低音を響かせているような印象もほとんど受けませんでした。

 

 6. AKG (79)

 6位はこれまた固定ファンが数多くいるオーストリアAKG(アーカーゲー)、通称あかげです。初めてヘッドフォンで有名なメーカーがランクインしたな、というのが正直なところ。7位のSennheiserと共にもう少し上位でも(上位3位にランクインしても)おかしくないのかな?と思いました。全体的な特徴としてインピーダンスが高い(分からなければ、過去記事を参照のこと。)機体が多いですから、何も考えずに購入してiPhoneに直挿しすると、スカスカした音しか鳴らずに絶望感を味わうことになります(もしかしてそういう敷居の高さがこんな順位になった一つの理由なのかしら)。 過去記事でも書きましたが、インピーダンスの機体を鳴らすには高出力のアンプが必須です。

このメーカーは音質の高さもさることながら、デザイン性の高さでも有名で、けいおん秋山澪が着用していたK701

http://blog-imgs-41.fc2.com/y/u/n/yunakiti/090501-0216580792-960x720.jpg

 であるとか、

 
 

 その正当な後継機にして著名音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズWe are the worldなど)とコラボしたQ701、その他にも挙げだすときりがない程たくさんのラインナップが存在します。PerfumeCapsuleでお馴染みの中田ヤスタカさんはK701の愛用者としても有名です(現在のラインはK712PRO)。

 

 

 

 

この点は過去記事でも取り上げています(ここではネタ枠として)。

また、最近はイヤホンにも力を入れており、廉価なラインナップではコスパの高さで驚かせてくれました。

networkaudiolab.hatenablog.com

 今回は、AKGながら10000円を切る価格とファッション性の高い見た目でバカ売れしているY50のレビューを追加しておきましょう。少し前にBluetooth対応のバージョンも出ています。細部はさすがに高級機に比べると手を抜くべきところでちゃんと抜いているな、という印象ですが質感は高く、インピーダンスは32Ωと取り回しの良さも一般人(ヲタとの対比で)にとっては魅力的だと思います。

 

 音質は高級ラインとは異なりドンシャリ系の味付け強め、狙ってる顧客層の違いを如実に感じさせられます。低音は割りと控えめでお上品な重低音(嫌いじゃない)、中音は綺麗だけど少しスカスカ感が気になる。Philewebでは絶賛されていた音像定位も価格それなりといった感じで、総評するとお値段相応かな(コスパ普通)という感想でした。もっともインパクトのあるデザインとAKGという毛色の良さを考慮すると、同価格帯で買って損はないのかな、という意見です。逆に考えるとAKGは市場調査しっかりして、戦略的に製品出していることがよく分かります(笑)

ただ 正直なところ、この価格帯でAKGのヘッドフォンが欲しいなら定番モニターのK240MK2(と廉価でいいのでアンプ)を買いましょう。AKGのしっかりした音像定位能力を体感できるAKGらしいヘッドフォンです。

 
 

7. Sennheiser (78)

7位は6位のAKGと同じくヘッドフォンのイメージが強いドイツの名門Sennheiserゼンハイザー)です。AKGと同じく比較的高価でインピーダンスも高めの製品が大半を占めるため、少し残念な順位になってしまった可能性があります(AKGSennheiserには同情的(笑))。世界中にファンが多く、歌姫ビヨンセなどがよく愛用者として紹介されます。

 このブログでは個人的にデザイン一押しのMomentumを複数回取り上げているなど、デザイン性の高さは折り紙つき 

さらに音質の高さにも定評があり、HD598(プリン)は2万円台で定番中の定番、ヘッドフォンヲタで持ってない奴はモグリ扱いされる存在です。

 
 

 またSE-MASTER1程ではないにしても、一般人からすると常軌を逸した価格のフラッグシップ機HD800(S)も、実はハイエンド市場ではコスパに優れている銘機として知られています。

 

さて、ここでは比較的レビューの少ないURBANITEについてレビューを書いておきましょう。この機体は2014年終盤に発売されたモデルで

  • インピーダンス低めなので直挿しOK
  • 折りたたみ可能
  • カジュアルなデザイン
  • 比較的低価格

 など、AKGのY50と同じく普及帯向けの戦略商品です。URBANITE無印がオンイヤータイプ、XLがアラウンドイヤータイプです。

 

 一般的にアラウンドイヤータイプのほうが音質はいいのですが、この製品の位置づけ的にやはり試聴すべきはオンイヤーだろう、ということで無印版を試聴しました。感想としては、とにかくうまくまとめたなーという感じ。特筆すべき低音の量感や高音のヌケ感、解像度の高さや音像定位能力があるかと言われると疑問符がともりますが、一方でどの音程も過不足なくしっかり鳴らせていて不快さはありません(ややシャリ感が気になるが)。オーディオヲタとしてはまったく購入意欲をそそられませんが(解像度の低い駄目フラット)、ポータブルでこのデザインながら、中身もゴミじゃないってことは売れるってことですね(白目)。

結局のところ、「追加課金してプリンちゃん買っとけや」というおざなりな結論にはなるのですが、確かなチューニング能力としたたかさを兼ね備えたメーカーさんなのでした。(こう考えるとAKGSennheiserも戦略的な製品出したせいでこんなランキングにされている可能性が無きにしも非ず・・・笑)

後半はこちら

8. JVC (75)

9. Audio-Technica (74)

10. Panasonic (74)

11. Apple (74)

12. Bose (73)

13. Philips (72)

14. Creative (68)

15. Koss (68)

16. Skullcandy (62)

17. Beats by Dre (58)

18. Plantronics (57)

http://business.newsln.jp/news/201607020635390000.html

清楚な見た目の優等生

はじめに

さて、今回は某インテリアショップから依頼されたので、デンマークTANGENT社のBluetoothスピーカー『フィヨルド・ミニ』のレビューをします。

TANGENT | モダニティ株式会社(MODERNITY)

 Bluetoothスピーカーで使われている技術自体は2年前に書いたこの記事からほとんど進化していません。

SONYの開発した新型コーデックLDACは(イヤホンよりは)ポータブルスピーカー向きだと思いますが、将来性は不透明です。

これらを踏まえたうえで、レビューをしていきましょう。

レビュー

 まず目を引くのはJACOB JENSEN氏が設計したミニマルデザイン、縦型のBluetoothスピーカーってあんまり見ませんがいいですね(アロマディフューザーと間違えそうですけど)。音質面でのメリットはあまり無いですが、すっきり配置できるのも良いです。MBA(MacBookAir)との相性も抜群なので、インテリアに敏感でコード類は汚いから嫌だけど音質にこだわりたい、ってワガママな層向けってことなんでしょう。

 

 体重は1kgくらい、外形寸法は90×90×210mmで邪魔にならず、持ち運びも苦になりません。

  • 10W×2chのデジタルアンプ
  • 2.5インチフルレンジユニット×2
  • パッシブラジエータ
  • 連続再生8時間
  • NFC

コーデックはapt-Xに対応しており、特に問題ありません。

fjord mini | モダニティ株式会社(MODERNITY)

 

 音の特性です。中音域はしっかりと広がりますが、同じtangent社のClassicの音の広がりをワンサイズ落としたような感じですね。高音の伸びやかさや低音の量感はサイズ相当でそれなりです。解像度の高い低音は音の厚みを生み出しますが、この音の厚みを低い解像度で達成しようとするとわざとらしい音の味付けをすることになります。残念ながらこのスピーカーの低音は、典型的なこの『わざとらしい味付け』で補正されており、正直微妙です。当然のことながら解像度はもう少し頑張って欲しいレベルです。

 

 まとめ

というわけで、音のレビューは少し手厳しい結果になりましたが、JACOB JENSENのファンからすると喉から手が出るほど欲しかったデザインのスピーカーかと。ピュアオーディオ的には少々物足りないですが、安っぽい音ではないですし、BGMにするなら解像度はある程度抑えたほうが良いというのが持論ですので、手軽なPCオーディオの候補としては悪くない選択肢だと思いました。それではまた。

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コンセプト&デザイナー | JACOB JENSEN(ヤコブ・イェンセン)北欧 デンマーク時計|bang&olfusen(バング&オルフセン)デザイナー reddotデザイン賞 受賞モデル 軽量 薄型 クロノグラフ チタニウム スイス製ムーブメント サファイアガラス レザーベルト シリコンラバーベルト 電話機T-3 Moma近代美術館永久展示所蔵 made in swiss