試聴音源のジャンルに関して
はじめに
上の記事で、以前に予告していた試聴音源の話を始めたのですが。ダンスミュージックの項目を書いていたら長くなりすぎた(日頃の鬱憤を晴らしていたら止まらなくなった)ので、スピンアウトさせました。
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試聴音源のジャンル
- 中音域を確認するためにロックの音源を使用しています(ポップスを使うこともあります。)。ノーベル文学賞受賞に敬意を表して、今回はボブ・ディランを聴きました(笑)
- 低音域を確認するためにダンスミュージックを使用しています。ラップやヒップホップ、レゲェサウンドを使用される方も多いですが、僕があまり好きではないのでほとんど使用しません。特にドラムンベース・ドリルンベースの音源を利用することが多いです。(後述参照)
- 低音域~中音域の確認、連続性を確認するためにジャズを使用しています。特にアシッドジャズの音源を利用することが多いです(Brand New Heaviesから入信しました)。
- 高音域を確認するためにダンスミュージックを使用しています。最近はリキッドファンクやフューチャーベースを使うことが多いです(後述参照)。
- 低音域~高音域の確認、連続性を確認するために交響曲(クラシック)を使用しています。オペラ音源は試聴メンバーから要望がある時しか使いません(必ず使う人もいます)。試聴曲の選定ですが、好きな曲聞けばいいと思います。僕らがよく使う曲:交響曲第1番・第5番(マーラー)、皇帝円舞曲(シュトラウス)、交響曲第3・7番(ベートーヴェン)、交響曲第5番(ショスタコーヴィチ);手に入れやすい有名どころの曲だけリストアップしました。
どうぞ、ご参考になさって下さい。以下はおまけです。
突如始まるダンスミュージックの話
ダンスミュージックが好きって言うと、最近は「あー、EDMいいよね!」とステキな反応をされる(#^ω^)ので、Wikipediaを使って簡単に歴史を振り返りましょう。
- ディスコ(米国):アメリカのアフリカ系アメリカ人やヒスパニックのコミュニティを起源とし、1960年代後半から1970年代前半にかけてフィラデルフィアからニューヨークへと伝わっていった。ディスコ (音楽) - Wikipedia
- ハウス(米国)・シカゴハウス:1977年にアメリカ合衆国シカゴで誕生した音楽ジャンルの一つ。70年代のディスコやフィリー・ソウル、サルソウル・サウンドなどを起源としている。シカゴのゲイ・ディスコ「ウェアハウス」が名称由来とされ、その特徴から、アメリカでは、性差別をテーマにする音楽である認識が強い。その後、80年代末~90年代の「ユーロディスコブーム」以降、ハウスの中心地はシカゴからイギリスを中心とするヨーロッパに移ったが、イギリスでは当初のテーマ性の追求は薄れ、様々な音楽音源との混合(ミックス)技術をテーマとする試みが行われた。・・・ニューヨークの「パラダイス・ガレージ」のDJであったラリー・レヴァンの友人で、自らも有能なDJであったフランキー・ナックルズは、1977年にシカゴに新たにオープンした「ウェアハウス」の主力DJとしてニューヨークから招かれ、彼のDJは独特のミックス手法であって、特にゲイたちから高い人気を博したため、地元のレコード店が「ハウス・ミュージック(ウェアハウス・ミュージック)」と称して販売したのがハウスという名称の始まりと言われている。ハウス (音楽) - Wikipedia シカゴ・ハウス - Wikipedia
- ガラージュ(米国):パラダイス・ガレージにおいてDJのラリー・レヴァンはジャンルを超えた様々な曲を掛けていたが、そうした曲や彼が好みそうな曲などをまとめてガラージュ(ガラージ)と呼ぶことが多い。ガラージュ - Wikipedia
- エレクトロ(米国):1982年から1985年の間に流行した電子音楽の1ジャンルである。楽器としてシンセサイザーのローランド・TR-808を使い、ヨーロッパの電子音楽とアメリカのファンクが融合して成立した。エレクトロ - Wikipedia
- ハイエナジー(欧州):1980年代初期にナイトクラブで人気の高かったクラブミュージックの一種であり、今日に至るまで人気が高いジャンルである。"Hi-NRG"という名称は、ロンドンでイアン・レビーン(Ian Levine)によってプロデュースされた、イブリン・トーマス(Evelyn Thomas)のディスコ・ヒット"ハイエナジー(High Energy)"(1984年)に由来する。Hi-NRG - Wikipedia
- ユーロビート(欧州):ユーロビートは、ハイ・エナジーと呼ばれていたジャンルの音楽から発展した。この音楽が「ユーロビート」と呼ばれるようになったきっかけのひとつとして、1985年12月、英国の音楽雑誌「レコード・ミラー」が、「ハイエナジー・チャート」の名称を「ユーロビート・チャート」に変更したことが挙げられる。ユーロビート - Wikipedia
- アシッドハウス(米国):1987年、シカゴでDJ Pierreが『Acid Trax』を製作した時、古いアナログシンセサイザー「ローランド・TB-303」のツマミをランダムに動かすことによって偶然生み出されたサウンドが、あたかもアシッドすなわちLSDの幻覚作用を思わせる幻想的なサウンドであったために、この名前がついたといわれている。アシッド・ハウス - Wikipedia
- テクノ(米国)・デトロイトテクノ:1980年代前半から中盤にかけ、シカゴに隣接する都市であり、同じく黒人音楽の伝統を持つデトロイトでもシカゴとデトロイトを行き来する人々によりこのシカゴ・ハウスが持ち込まれ、新しい音楽の運動が生まれてくる。この音楽成立に関わった主なアーティストとしては、同じ学校に通っていた音楽仲間でありDJ集団も組んでいたホアン・アトキンス、デリック・メイ、ケヴィン・サンダーソンらの、いわゆる「ビルヴィレ・スリー」(3人の出会った場所が地元デトロイトのビルヴィレ地区であったため名づけられた)が挙げられる。彼らの音楽はシカゴ・ハウスの影響を受けつつも、従来のハウス・ミュージックが持つ享楽性に対し厳しい現実を反映したシリアスな音楽を志向し、音楽雑誌の取材時にはより政治的・思想的な側面を打ち出していた。
- トランス(ドイツ):ハウスから派生したエレクトロニック・ダンス・ミュージックの一種である。130から150くらいまでのBPM(テンポ)のリズムに加え、うねるような旋律を奏でるのが特徴。そのリズムやメロディは、さも脳内の感覚が幻覚や催眠を催す「トランス状態」に誘うかの様な様式からトランスと呼ばれている。ダンスミュージックとしてのトランスは、1980年代中期にアシッド・ハウスから派生した。トランス (音楽) - Wikipedia
- ドラムンベース(英国):BPMが160以上であり、高速で複雑なシンコペーションを用いたブレイクビーツサウンドにキックとベースを強調した重低音が特徴。1990年代初頭にイングランドで発祥したといわれる。どちらもブレイクビーツをルーツとしているが、ドラムンベースの特色として挙げられるのは、ジャングルよりもさらに複雑化したリズムであり、ヒップホップよりも速いBPMを用いることである。ドラムンベース - Wikipedia ブレイクビーツ - Wikipedia ジャングル (音楽) - Wikipedia ヒップホップ - Wikipedia トラップ (音楽のジャンル) - Wikipedia
- ドリルンベース(英国):ドラムンベースを起源とする電子音楽のジャンルの内の1つ。1990年代中盤のスクエアプッシャー、エイフェックス・ツイン、ルーク・ヴァイバート、μ-ziqなどの作品が発祥とされる。ドリルンベース - Wikipedia
- チルアウト(欧州):チルアウトは、電子音楽の作曲者により生み出された、比較的陽気でスローテンポなさまざまな形式の音楽を表す包括的な言葉である。発祥は1990年代前中期で、くつろぐことを促す俗語から来ている。チルアウト - Wikipedia
- アンビエント(アンビエントハウス・アンビエントテクノ):踊るためのアップテンポな他のハウス音楽とは異なり、環境音楽的な、ゆったりとしたリラックスできるような音楽である。アンビエント・テクノの始まりはいわゆる80年代のレイブムーブメントから誕生したチルアウトに原点がある。アンビエント・ハウス - Wikipedia アンビエント・テクノ - Wikipedia
- 2ステップ(欧州):1990年代後半にヨーロッパで流行したUKガラージサウンドの一つ。2ステップ - Wikipedia UKガラージ - Wikipedia
- ダブステップ(欧州):1999年にイギリスのロンドンで誕生した強くリバーブのかかったドラムを用いた2ステップの総称。2001年にロンドンの「Velvet Rooms」というクラブで開催されていた「Forward (FWD>>)」というクラブイベントで、2ステップのダブミックスにブレイクビーツやドラムンベースの要素を加えた音楽を選曲することが流行したのがダブステップの始まりである。ダブ - Wikipedia
- チルステップ:チルアウト・アンビエント+ダブステップ
- リキッドファンク:ソフトドラムンベース、メロウなサウンドが特徴 ドラムンベース - Wikipedia
- EDM:狭義的な解釈ではEDMという言葉は、DJカルチャー以降の音楽的伝統を持たない、ポップなエレクトロニック・ダンス・ミュージックを指す。その成り立ち故に、従来のテクノやハウス・ミュージックのミュージシャンやファンから区別され、批判されることもある 。
- フューチャー(フューチャーベース・フューチャーガラージ):浅薄なEDMとは異なり、これまでの長い長い系譜を引き継ぎ、現代的な要素(EDM的な要素を含むのが厄介なところだが)を加えた正当な後継者。
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