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ネットワークオーディオラボ ぶろぐ

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お年玉で買うべきミニコンポ2017

はじめに

12月中旬、都内某所、知り合いのオーヲタから「今年も書くの?」のLINEが入る。今年は無理だよなーと思いながらスケジュールを確認すると、なんと奇跡的に17日だけスケジュール空いてる!急いで試聴環境をいつものお店に揃えてもらい、スケジュール調整、めでたく8人の勇士が集まり、今年も無事に開催できましたミニコンポ試聴会。

一昨年、去年と続けてきたこの企画ですが、ハイレゾ対応&CDレス化が進み、独立なオーディオ機器としての性格が薄れ、PCに外付けするオーディオ機器(外付けDAC+(プリメインアンプ)+パッシブスピーカー)として生き残っていこうという製品群になりつつあります。いちいちPCを起動せずに、PCレスで気軽にいい音が聞ける点を突き詰めないと死に絶える製品群だよ、と過去記事に書いたわけですが、まさしく死に絶えつつある気が・・・。 11月に出たJVCケンウッドの製品発表でも

同社は、ハイレゾ音源やストリーミングサービスの普及などホームオーディオを取り巻く環境の変化を鑑み

ってリリースが出ていますし、やはりこの流れは止められなさそうです。そういう意味ではいつまで続くか分からないこの企画ですが、毎年恒例『お年玉で買うべきミニコンポ2017』、今年も始めます。

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photo credit: World Economic Forum Taking Talent to Market via photopin (license)

2018年版が公開されました(この記事は2017年版の古い記事です)。

networkaudiolab.hatenablog.com

networkaudiolab.hatenablog.com

試聴環境

音源

  • MP3(192kbps)とCD(16bit/44.1kHz)に加え、ハイレゾ音源に対応する機器が増えましたのでFLAC(24bit/96kHz,192kHz)を可能な限り使いました。DSDは見送りました。

ジャンル

下記記事を参照して下さい。

試聴機器

結論ですが、去年と同じくSC-PMX70買っとけ、でいいと思います。比較した他の製品の4割~6割程度の価格で購入できるにも関わらず、価格と音質を考慮したときのコストパフォーマンスが圧倒的です。ネットワーク機能が欲しいなら上位モデルであるPMX100と他の製品を比較した方がいいと思いますが、その場合はミニコンポ以外も考慮にいれるべきでしょう。

  1. SC-PMX70(PANASONIC
  2. X-NFR7TX(ONKYO
  3. D-M40(DENON
  4. X-HM76(Pioneer)
  5. HR-X101(TEAC

試聴結果

SC-PMX70

去年大絶賛したPMX70です。テクニクスを復活させたパナソニックの勢いは本物で、2016年4月に出したOTTAVA SC-C500の出来も抜群でした。

細かいレビューは去年の記事を見てもらうとして、当面はミニコンポ界のベンチマークとして活躍していってくれることだろうと思います。ハイレゾにもFLAC(24bit/32/44.1/48/88.2/96/176.4/192KHz)192kHzまでしっかりと対応しています。欲を言えばハイレゾ音源を使った時、若干の解像度の低さが気になりますので、次世代ではスピーカーを改善してほしいです。(デザインも少し安っぽいです。)

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:4
  • 解像度:3
  • 合計:15
 

 X-NFR7TX

 毎年ONKYOの悪口を書いているので、社員に会うたびに嫌味を言われます(笑)何だかんだ言って毎年コンスタントに新製品を出すのは偉いですね。スピーカーがちょっと小さくちょっと軽くなったそうで、体感的には誤差レベルですが企業努力を感じます。ONKYOのスピーカーは無個性だけどいい音で、ここだけは他メーカーに負けていません。あと、ハイレゾ再生に対応(FLAC(96kHz/24bit))したのが大きな変化点ですが、96kHzまでとちょっとイマイチ感。(ボタンが多くて使いやすいかもしれませんが、デザインの観点からはひどいと言わざるを得ません)

  • 低音:3
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:4
  • 合計:14
 
 

 D-M40

 DENONのD-M40、ONKYOのFRシリーズと同じく歴史の長いシリーズです。2015年発売ですが、去年試聴する時間がなかったので今年のリストに入れました。アンプの出力は30W+30W、スピーカーの再生周波数域は45 Hz ~ 40 kHz、FLACは48kHzまでと若干イマドキ感がない構成。音質は低音~中音域が抜群によく、オーディオはやはりスペックだけでは語れないなと改めて実感(試聴するたびに思うことですけど)。高音のヌケ感や解像度は適度なレベルでそれなりという感じ。WHAT HI*FI2016では最高評価を獲得しています。

Best Systems 2016 | What Hi-Fi? Awards 2016

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:3
  • 合計:14
 

 X-HM76

 今回唯一のネットワーク機能付き、PioneerのX-HM76です。アンプは50W+50W、スピーカーの再生周波数域は50 Hz ~ 40 kHz、ハイレゾはFLAC192kHzまでしっかりと対応しています。32bitDACチップを積んでおり、DSDにも対応しているなど、お値段的にもスペック的にもミニコンポというよりピュアオーディオな製品です。分解能は高いですが(S-HM86-LRで検証)、セットのスピーカーの性能がしょぼいせいで、出てくる音は物足りないです。

  • 低音:4
  • 中音:4
  • 高音:4
  • 解像度:3(4)
  • 合計:15(16)

追記:アンプとスピーカーのどっちにお金をかけるべき?という質問に対し、オーヲタの100人中100人がスピーカーと回答しているのをよく見かけます。これは初心者にとってはなかなか実感が伴いにくい点だと思いますが、Pioneerの機種を使うと簡単に実感することが出来ます。まずX-HM76を聞いて下さい。次にXC-HM86+S-HM86-LRを聞きます。解像度や音場再現能力が1ランク違うことが分かると思います。最後に、X-HM76のレシーバ-+S-HM86-LRを聞いて下さい。これでアンプとスピーカーどちらが決定的に重要なのか絶対に分かると思います。(そして後者の音がどうしても欲しくなった時、そのときこそピュアオーディオの世界(沼)に飛び込む時です(笑))

 
 
 
 

 HR-X101

Pioneerと同じくミニコンポというよりは準ピュアオーディオ的な位置づけ、TEACのHR-X101です。アンプは26W+26W、スピーカーの再生周波数域は60~40kHz、ハイレゾはFLAC192kHzまでしっかりと対応していて、DACチップはBurrBrownのPCM1795です。バランス良くまとまっていますが、ライバルと比較すると今ひとつ、価格を考えると今ふたつといった感想でした。USB DACとして使えるという付加価値をどう捉えるかにもよりますが・・・。

  • 低音:3
  • 中音:4
  • 高音:3
  • 解像度:3
  • 合計:13
 
 

 最後に 

 差別化を考えると、今後のミニコンポはPCの外付けオーディオと化すか準ピュアオーディオ化するかの二択になるのかもしれないな、とPioneerやTEACを聞いていて思いました。ぶっちゃけた話、一昔前のミニコンポ程度の音質は現在のCDラジカセで出せるくらい技術進歩が進んでしまったので、場所をとるミニコンポの存在価値が問われている時代なんでしょうね。来年もやるかは不明(製品群がどうなるか不明)ですが、引き続きよろしくお願いします。

過去記事はこちらをどうぞ